06_一瞬の希望
クデュは、片手の鎌の刃を舐めると、クスカに跳躍する構えをとります。それを見て、クスカは、瞬時に全速力で、クデュから、逃げ出します。確かに、クデュの持つ速度なら、簡単にクスカに追い付くことができるでしょう。
「逃げ出すのかい。逃げ出しても無駄だよ。すぐに追い付く。うんっ!?」
クデュは、クスカに向かって跳躍した時でした。足元のなにかに引っ掛かり、彼はバランスを崩し、思いっきり、地面に顔をぶつけます。
よし、引っ掛かった。自分が魔法が使えないことは、知ってる。だから、勝てないことだって知ってる。私ができることは頭を使って、逃げることだけ。
クスカは、クデュが狙い通りに、躓いて転んだのを確認すると、木陰をうまく使いながら、姿を隠し逃げます。
「へぇー、やるじゃんか、あの人間。俺っちに、威勢のいい言葉を浴びせかけて、自分に注目させている間に、魔法で、足元に植物を生やしていやがった」
クデュは、足元に生えた植物を切り刻み、立ち上がると、顔面から垂れた血液を舐めます。
ーーー
ハァ、ハァ、ハァ......。
ここまでくれば、大丈夫。
息を切らしながら、必死の思いで走ったクスカは、思わず木にもたれ掛かり、腰をおろします。
感情任せにこんな場所に来るべきじゃなかった。早く、帰りたい。村に。でも、また、馬鹿にされる日々が続くのかな。
クスカの中で、学校での暗い出来事がちらついて、劣等感に再び苛まれます。帰っても、私には居場所がない。また、ここに戻ってくるかもしれない。
「見ーつけた。探したよ」
次回は、7月7日の投稿予定です!




