04_不安の渦中
何度も、転がりそうになりながらも、クスカは、前だけを見て、ひたすらに走り続けます。
ゴブリンたちは、木の枝で、目を攻撃されて、かなり、ご立腹な様子で、血管が浮き出て、苛立ちが顔に出ています。捕まれば、ただではすみそうにありません。
「あの人間、許さねー。いたぶってから、食ってやる」
「ああ、そうだな。目がまだ、いてぇ」
当然、ゴブリンたちは、憤怒に満ちた表情を浮かべながら、凄まじい速度でクスカを追います。
ですが、クスカは、魔法を使用し、走る速度を上げ、なんとか、ゴブリンたちの視界から、離れることに成功します。
はあ、なんとか、ゴブリンたちから逃げられたみたい。
クスカは近くの木陰に隠れ、座り込むと一安心します。落ち着いて、両手を見てみると、まだ、両手は震えが止まっていません。
前まで、この森には、魔物が出てきませんでしたが、徐々に、魔物の活動範囲が広がって来ているように感じています。それも、クスカの住む村の近くにまで。
そろそろ行こう。
クスカは、深呼吸をして、精神を整えると、立ちあがります。彼女は、後悔していました。現実を直視したくなくて、どうにでもなれという浅はかな気持ちで、森のなかに入り、命を危険にさらしてしまった。ほんとは、自分のことがどうでもいいなんてことはなかったのです。
「た、助けてくれぇぇぇ!!!」
「俺だけでも助けてくれ、頼む、頼む、ぐはっ!!」
クスカが立ちあがり村に向かおうとした瞬間、先ほどのゴブリンの恐怖に満ちた声が響き渡ります。何かに襲われ、命をもぎ取られていくような声に、クスカは、再び、不安と恐怖の渦に飲まれていきます。
次回は7月1日投稿予定です!ゴブリンは無事ではなさそうですが、クスカは、無事に村に帰れるのでしょうか。簡単にはいかなさそうです。




