06_覚悟
レイブは、意図して、攻撃を続けていたのです。大切な人たちを、自らの攻撃に巻き込まないために。
カラドは、その事に気づかず、レイブが自棄になっていると勘違いし、余裕な表情を浮かべています。
「がむしゃらに、攻撃しても、体力が消耗していくだけだぞ。もっと、楽しめると思ったが、拍子抜けだ。ささっと、終わらせるか」
カラドは、相変わらず禍禍しい霊力を纏う大剣を右肩に乗せて、笑みを浮かべて、レイブを、見ます。
「ああ終わらせよう。けりをつけさせてもらう」
レイブは、先ほどまでカラドを倒すことにためらいの気持ちがありました。カラドは、自分のかつての弟子であり、彼のいいところも悪いところも、長い間、見てきたからです。死んだと思っていた弟子が、生きていたことに、心のなかでは、喜んでいました。
ですが、再び出会ったカラドは、聖剣の力に負け、前とは変わってしまった。このままでは、大切な人たちを傷つけ、殺してしまうだろう。と、レイブの頭のなかでは考えが過ります。師匠として、弟子の行いにけりをつけることが、責務なのだと、カラドを倒すことの覚悟を決めました。
「けりをつけるだと!!俺に、傷ひとつつけられない、あなたがどうするっていうんだ!!」
カラドは、レイブに向かって叫びます。
「カラド、お前にこの技を見せるのは初めてだったのう。わしは、お前が、弟子だからといって、遠慮はせぬからな」
レイブは、持っていた剣を、ゆっくりと鞘に収め、剣技を発動させます。
【残爆】ー炎
すると、凄まじい轟音と衝撃とともにカラドが、爆発し、地面の砂塵が大気中に舞い上がります。実は、レイブのこの技。切りつけた箇所を、剣を鞘に収めることに引き金にして、爆発させることができるのです。ナズナから、カラドを離れさせる必要があったのは、このためでした。
何度も何度も、切りつけたので、何ヵ所も、爆発し、大気と地面が揺れるほどの、強烈な爆発が生じた模様です。
これほどの、爆発に巻き込まれれば、聖剣ボルグの硬質な霊力を纏うカラドであってもさすがにただでは済まないはずです。これが、フリにならないことを祈りましょう。
いずれにしても、大気中に舞う砂塵が、消えた時、結果は分かります。果たして、カラドを倒すことができたのか、それとも、まだ、無事で圧倒的な雰囲気を醸し出すのかどっちでしょうか。
次回は、6月16日の投稿予定です!レイブの渾身の一撃は、カラドに、通じたのでしょうか。それとも......。




