小さい頃②
ジョージが物心つく前からジョージの見える世界は七色の光で溢れていた。
その光一つ一つから『楽しい』『キレイ』『嬉しい』色々な感情が溢れ出ていて、まだ話せないジョージはニコニコと『ふふふ。楽しいね〜。気持ち良い!』『キラキラできれい!』『とぉっても嬉しいよ〜ありがとう』と念話でかえしていた。
そんなこんなで、会話をしなくてもキラキラ光る存在と会話みたいなものが成立していたせいか、ジョージはなかなか言葉が遅い子供だった。
こちらの話していることは理解しているようで、頷いたり首を振ったり指をさしたりと意思表示はしっかりとするものの言葉が出ない事に両親はヤキモキと気を揉んでいた。
「あなた、どうしましょう?ジョージもそろそろ3才も過ぎましたし家庭教師をつけましょうか?言葉は出ないものの理解は出来ているようですし、エドワードもエリックも3才から家庭教師に教えて頂き立派になりましたしジョージも言葉が出るようになるかもしれませんし…」
「そうだな…ジョージの言葉がいまだ出ないのも気になるが…私の髪は赤、目は青色だ。お前は紫の髪に濃い紫の目。ジョージは濃い紫の様な黒い髪に吸い込まれるような漆黒の目…。
そこも理解のある方を探そうと思うが…黒色とは私自身も見たことも聞いた事もない。少し時間がかかりそうだが当たってみるよ。
分かっていることは、私達の子ということだ。大丈夫だ。待っていてくれ…。」
そんな夫婦の会話から半年。ジョージの家、アルテミス家の王都のタウンハウスに一人の老人が訪れていた。