第0講 少女とHRと親友と
ロザル・フランクリンには夢があった。それは、青く、高い、空を飛ぶこと。夢を叶えるため、彼女はスクールで魔法科学を学ぶことになる。そんな空を目指す少女とその親友の日常の物語。
チャイムがなった。
40歳ほどの女性が穏やかな笑顔で教室へ入ってくると、さっきまでの教室の騒がしさが嘘のようになくなった。
「初めまして、みなさん。入学おめでとう!担任の、レフィーナ・スミスです。一年間、どうぞよろしく。」
とても好感の持てる人だ、きっと素晴らしい人物なのだろう。
彼女は一人、そんなことを考えていた。
女性は続ける。
「さっそくですが、みなさんに自己紹介をしていただきます。名前、好きなもの、あと言いたいことがあればご自由に。
それでは、左端のあなたからどうぞ。」
「はい、先生。……」
自己紹介は滞りなく進み、彼女の番になった。
「では次の貴女、どうぞ。」
「はい。」
「初めまして、ロザル・フランクリンと申します。好きなことは…魔法物理学と魔法化学です。どうぞよろしくお願いします。」
彼女は淀みなく、はっきりと答え、再び着席した。
「はい、よろしくね。」
レフィーナが答え、続けた。「じゃあ、次の貴女、どうぞ」
……
「これでみんな終わったわね。あらためて、一年間よろしくお願いします。」
言い終わるとほぼ同時にHR終了のチャイムがなった。
「ロザル!」ふいにロザルを呼ぶ声がした。
「ジェニファー」彼女も返し、続ける
「学校だからって呼び方を変えないでいいわよ。ローズでいいわ。」
「そう?なら私もいつも通りジェニーでいいわよ。」
「ありがとう、ジェニー。ところでさ。」
「なあに?」
「お母様が担任ってどんな気分なの?」
「特にどうもないわね、意外と。」
「ふーん、そんなものなのね。」
「たぶんねー。あ、そろそろ一限目が始まるわ、準備しなきゃ。」
始業のチャイムがなった。




