あとがき・旅のおわりに
こんにちは。
つづれ しういちです。
このたびは、拙作「竜国記〜ドラッヘシュテルン・サガ〜」を最後までお読みくださって、まことに有難うございました。
以下は物語のネタばれなども大いに含みますので、こちらから先にご覧になっている方はどうぞご注意くださいませ。
2015年6月24日からこちらのサイト(「小説家になろう」)にお世話になってまいりましたが、書きあがってみればその中でも、こちらが話数・字数とも、最長の物語となりました。
ここまで、なんと毎日更新を続けて来られております。そのことを何より、そして誰よりいつも励ましのお言葉をくださっていた読者の皆様に感謝したいと思います。
「竜国記」に限って申しますと、2016年10月1日に連載を開始して、執筆完了が2017年3月8日。これを書いているのが3月9日。近頃では「サンキューの日」とか言うそうですね。
某ボーカロイドの女の子やら、日本を代表する某ロボットアニメの敵方量産型タイプの名前だという人もいるようですが、まあそんなことはどうでもいい(笑)。
先年、2月3日(節分の日)に完結した「白き鎧 黒き鎧」のあと、その後日談や外伝等々を書き上げて、実はこちらの作品と、もうひとつムーンライトノベルズに書く作品と、両方のプロローグだけを先に書き、私は「さてどちらから書こうかな」としばらく考えていたのでした。
結果から申せばムーンライト作品を先に書くことにしたために、私は結局、手許にこちらの作品のプロローグだけを四ヶ月以上も寝かせたままにしておいたことになります。
ですが、これ、良かったなと思っております。
物語には、夏場に書くのに向いた作品と、冬場に書くのに向いた作品があるような気がしておりまして。
ああもちろん、何年もかかって長い物語をお書きになるかたもいらっしゃるわけなので、人様のことをとやかく申すわけではありません。あくまでも私自身が、というだけのお話です。
「竜国記」は、そういう意味では間違いなく「冬向き」の話でした。
はじめはここまで長くて複雑(あくまでも私の感覚です・笑)な話になるとも考えていなかったのですが、結局は五つの竜の王国すべてが物語にからんでくることになり、当初から「増やすまい、増やすまい」と頑張っていたにも関わらず、どんどんキャラクターも増えてしまって、後半はだれをどう決着させるのか、日々頭を悩ませて七転八倒、という状態になりました。
まあ、言ってしまえばいつもそんなようなもんなんですけれどもね。
今回の作者の「びっくり」キャラは、なんといってもファルコとヴァイス。
私の執筆ノートは、執筆前に物語を構築してそれを書いてあるものではなく、物語を書きながらその場その場で出てきた設定だとか人の名前、地名などを備忘録として書き記しただけのものです。そうでないと、髪の毛や目の色なんか、すーぐ忘れてしまうので(笑)。
量もほんのわずかです。
リラッ○マのB6リングノートに、今回で言えば5ページ分。
本当にそれだけです。
だってそんなことあらかじめ考えておいても、キャラクターがひとたび「そんなの、わたくしいやですわ」「そんな設定、俺はゴメンだ」ってそっぽ向いたら終わりなんですもん。
いつものことですが、大変です……。
で、その中に、「あ、この名前使いたいな」と思ってなんとなく名前だけ書いてあったのが、ファルコという男でした。
それも最初、この名前、カールにつけていたのです!
しかしそのうち、「どうもこいつはこの名前じゃないなあ」と違和感が出てきてしまい、カールに改名してから、またしばらくノート上に放っていました。
そうしたら……、あの人が登場したわけです。
ええ、あの土竜国の山中に。
彼がいなかったら、いったいミカエラはどうなっていたんでしょう。
考えたら怖くなるので、作者、考えません。うん。(なにがうんだ)
そしてもう一人の「びっくり」キャラ、ヴァイス君。
過去編がほぼ終わり、「このままではアレクシス、どうなっていくんや……」と考えていたときに、やっぱりひょっこりと、彼が火竜国王都の群集の中から立ち現れてくれました。
この人、私は個人的に非常に困りました。
ええもう、ほんっとーに困りました。
だって、病気が疼くから(笑)。
仕方がないので、疼く部分だけを切り離してムーンライトのほうへ遠征させたのは、ご存知のかたはご存知のお話です。
18歳以上のかた限定ですが、気になる方はそちらも覗いてみてくださればと思います。
あ、BLですので悪しからず(笑)。
当初、男が馬になり、昼夜をまたいで女が別の生き物に……という設定が昔みた洋画とよく似ていることを少し心配もしていたのですが、結果的にはまったく違う話に仕上げることもできて、ちょっとほっとしているところです。あ、その映画では男はコヨーテかなんかになるんでしたけれども。
男が馬に変身する物語というのは、神話や昔話の世界でもよくあるモチーフだと聞いております。その馬に少女が恋をするとかね。なんでしょう、乙女ゴコロをくすぐるのでしょうか(笑)。
しかし、レオンに関して言えば、その洋画を見るよりずっと前に、自分の漫画のキャラクターとして(名前はつけていませんでしたが)存在していた人なのでした。ここは声を大にして言いたいところですね。ちなみにニーナはいませんでした(おい!)。
馬になる設定も、片目であることも、そのときからすでにあったものです。
ともあれ、ここまで無事に書ききれて、ようやく作者、ほっとしているところです。
ここまで長い間おつきあいくださって、キャラクターや物語を愛してくださった皆様、まことにありがとうございました。
私事のため、もう今後はあまり毎日更新は続けられない事態になりそうではありますが、またなにか思いついて、そのキャラが「我慢できん、外へ出せ!」と叫びだしましたら舞い戻ってくるかと思います。
しばらくは、絵のほうにも力を入れられたらいいなあ、とも思います。
どうぞその節にはまた、よしなにお願い申し上げます。
あとがきにまでお付き合いいただいた皆様、どうもありがとうございました。
みなさんとみなさんの大切なかたの上に、これからもたくさんの幸が降りますように。
それでは、いつかまた、どこかで!
2017年3月吉日
つづれ しういち





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