第37話 天国から地獄
「ッ……な、何、かな……？」
「ふふふふふ……とりゃあっ！」
「ほわたっ！？」
肩にのしっと重みが……ッ！？
ていうか、ていうかていうかていうかッ！
このッ、この独特の、柔らか重いッ、この感触は……ッ！！
「ふふふふふ、どうよ、重かろう？ お姉ちゃんは、いっつもこんな重いのをぶら下げてるんだよ？」
「ぶら下げてるとか言うなッ！ ていうか、それを何故、俺の肩に置くッ！？」
「なるほど。置かれるだけだと不満だ、と。了解了解！」
「ふぎゃーっ！？ 乳をッ！ 顔を乳で挟むなあッ！！？？」
何コレッ！？ 何コレッ！？
何かすっごいッ、こうッ、ムズムズっていうか……ッ！
ゾワゾワッ、ゾクゾクくるし……ッ！！
すごいッ、スゴい何か、身体が落ち着かない……ッ！！
「ちょッ、姉ちゃんッ、もうホンット――」
「……いや？」
「ッッッ！！？？」
ゾクッて……ッ！
その、甘えたみたいな、声が耳、元で……ッ！
それだけで、身体がゾクゾクって……ッ！！
「……ねぇ、悟くん……？」
「ふぐッッッ！！？？」
姉ちゃんが……ッ。
姉ちゃんが、乳を俺の肩に置いたまま、俺を抱きしめる、みたいに腕を回して、くる……ッ。
何かッ……何かもう、俺は全然身動き、取れなくて……ッ。
「お姉ちゃんに、こういうコトされるの………………いや？」
「そッ、れッ……そそそッ、それ、はッ……！！」
「従姉弟同士なのに、気持ち悪いって……そう、思う……？」
「そんなッ……そッ、んなッ、そそッ、そんなッ、ことッ……！！」
いやッ、気持ち悪いなんてこと、全然ッ……！
むしろッ、それを言えば、気持ちイイッ……！
って、いやッ、でもそういう問題じゃッ、なくて……ッ！
いやッ、だってッ、何かコレッ……！
いッ、いいのッ、この流れ……ッ！？
俺ッ、何かそういうふうに、解釈しちゃいそうなんですけどッ！？
合ってるッ！？ 合ってるのッ！？
ああッ、もうッ！！
こんな時ッ、俺にアシュタルほどの経験と行動力があればッ……ッ！！
って、待て待て待て待て待てッ！？
てことは、何だッ！？
俺は姉ちゃんとッ、そういうコトをしたいってのかッ！？
姉ちゃんだぞッ、姉ちゃんッ！？
いやッ、でもだから、気持ち悪いとかはッ、全然ッ！！
だからむしろッ、気持ちイイしッ……！！
って、元に戻っとるやんけッ！！！
「あの、ね？ 悟くん……」
「はッ、はひぃいッ！？」
息がッ！ 息がッ！！
姉ちゃんの息がッ、何か首っていうか、頬っていうかにッ……！！
「お姉ちゃんは、こういうコト……悟くんにしか、しないん……だよ？」
「ふひッ！？」
「大学にも、男の友達はそれなりにいるけど……こういうコトしたいなって思う人は……いないん、だ……」
「ひゃふッ！！？？」
キュって……ッ！
キュってされたらッ、だからッ、だからッ、おおおおッ、おっぱいがッッッ！！？？
むにゅって何かッ！！ むにゅって何かッ！！！
「それで、ね……？ お姉ちゃんは、お姉ちゃんだから……悟くんのこと、キュってしたりしたいのかなって思ってたんだ、けど……」
「ッ……けッ、けッ、けッ、けどッ……ッ？」
「例えば………………キス、とか……ね？」
「ッッッッッ！！！？？」
唇がッ！
姉ちゃんの唇がッ！ 何か俺の頬に触れそうでッ！！
いやッ、いやッ、いやッ！
えッ！？ えッ！？ えッ！？
「悟くんとなら、そういうのをしてる自分が、想像……できちゃうし……したいなぁ……なんて……ね？」
「ッッッッッッッッッッ！！！？？」
なんッ、なんッ、なんッ、なんッッッちゅうッ！？
駄目だッ！ これ以上は脳みそが沸騰するッ！！！
俺の理性にもッ、限界があるっちゅうねんッ！！！
ええねんなッ！？
ええねんなッ、ホンマにッ！？
わしッ……わしッ、もうこのまま行ってまうでッ！！？？
「……ッ……ね……姉、ちゃん……」
「……駄目、だよ……悟くん……」
「えっ……ッ！？」
な、何でって……ッ。
姉ちゃんの方を、振り向こうとしたら、駄目って……ッ。
何かやらかしたかって、思った、らッ……ッ。
「……名前……」
「え……？」
「こういう時は……名前……呼んでくれなきゃ……ね？」
「ッッッッッ！！！？？？」
名前ッ……名前って、姉ちゃんのッ……！！？？
いや、姉ちゃんの名前ッ、くらい知ってる、けど……ッ！
（呼ぶのかッ！？ それを俺が口にするのかッ！！？？）
ぐぅうぅううう～～～～ッ！！
それはッ、それは恥ずいッッッ！！！
何っていうか、メチャクチャ恥ずかしいッ！！！
だがッ！
だがしかしッ！！
呼べと言われればッ、呼ぶしかないッ！
だって……ッ！
だってだってだってだってだって……ッ！
（だって姉ちゃんとキスしたいんやもんッッッ！！！）
ええッ、そうですッ！
姉ちゃんとキスしたいですーッ！！
そりゃあ、僕は前に言いましたッ！
「おっぱいは触りたいけど、身内とセックスしたいとは思わない」って！
せやけどッ！！！
せやけどッ、おっぱい触ったらッ、セックスするやろッ、普通ッ！！？？
何なんッ！？ おっぱい触るだけって！
おっパブちゃうんやでッ！？
男がおっぱい触るだけで満足できるわけッ、あらへんやろッ！！
おっぱい触りながらキスするのが、むしろ礼儀っちゅうもん違うんかッ！？
あッ！
でも言うとくけど、誤解せんとってなッ！！
別に俺は、姉ちゃんとキス＋αしたいからッ、こんなんしてるんちゃうんやでッ！？
ちゃんと姉ちゃんのことは好きやからッ！
姉ちゃんやなかったら、こんなんしてへんしッ！
せやからッ……！ せやからッ……！！
「ッッ……」
「悟、くん……」
「ッ……ッ……ッッ……か……ッ……かな、で……ッ」
「ンッ……ッ……ふ、ふふ、ふふふふふ……」
名前を呼んだ、瞬間……ッ。
姉ちゃんが、ピクッて身体……震え、させて……ッ。
それから何か……すっごく、嬉しそうに、笑って……ッ。
それ、で……ッ。
「……悟、くん……」
「ッ……」
姉ちゃんが、ちょっと……腕の力、ゆるめて……。
それで、俺の身体を、自分の方に、向かせる、みたいに……ッ。
俺は、唾を、飲んで……ッ。
上体を、ひねる……みたいにして、姉ちゃんの方を、向いて……ッ。
姉ちゃんは、俺に優しく、微笑んで……ッ。
こんな、近くで姉ちゃんを、見るのは、その……ッ。
そうし、たら……ッ。
「ねえ、悟くん……一つだけ、教えて……？」
「う、うん……？」
「悟くんは………………あの子のことが、好き……なの？」
「え……？」
「魔王……ルグンの、生まれ変わり、の……」
「ッッッッッ！！！？？？」
俺は死んだ。スイーツ（笑）
