2-2 悩みの種
「ここの水うまいな~」やっぱり都会の水道水は違うねえ。今日なんかバラの香りがするし幸せ~」
「おい。リンリン君。花瓶の水なんか飲んで何を血迷った?」
「えっ!?亜島さん。ウソッ!?」
「その水には洗剤も入っていたのだが・・・」(こうすると水の腐敗が進みにくくなって花が長持ちする)
我輩こと半盲目のスナイパーリンリン・李院・凛鈴・リンリリンリ・李院・輪鱗(リンリン・リイン・リンリン・リンリリンリ・リイン・リンリン)はあわてて洗面上に駆け出す。それからさっきまで飲んでいた水を吐き出そうと努力したのであった。目がろくに見えない我輩は冷蔵庫から水を取り出してコップを花瓶の隣に誤って花瓶の水を飲んでしまったのである。そういえば我輩はは戦場では特にそうでもないが日常生活内では重度のドジッ娘(李院さん、あなたもう二十歳でしょ)である。ゴミ箱を猫と思い込んで猫だましをするわ女子トイレと思って入ろうとしたところがストリップ劇場であったりと。
その時は相棒の一一が一緒にいたため止めてもらったが。たしかに、あいつがいないと不便なものだ。さては一人奈のネーちゃんは我輩にもっとハジメを大切にしろと伝えてるつもりか?
「おい。リンリン君無事か?」
「うかつだったわ。」
「相棒を雑に扱ったバチじゃないか?」
(こっちもか、やれやれ。)
「別に友達扱いしているだけじゃないですか。」
「友達?下僕扱いの間違いじゃないか?さんざん人の好物を取っていくわ返すつもりもない借金はするわ。」
「何ですか?急に。」
「ラブカ君が急に部下に暴力を振るわなくなったのはどうしてかと思うか?こういうことだ。」
彼は力をこめてりんごを握る。ポタッポタッ。やばい、聞き手じゃないほうの手で握りつぶすだと?我輩はこう見えても格闘戦に自身がない。とにかく成人男性とは殴り合いをしたくない。我輩はスナイパーとしての訓練はしているもののまともな格闘訓練はそこまでまじめにやった覚えがない。我輩が実戦において格闘をするのは弾がきれた際に例の人の心臓を鼓動を感じ取る力で敵を察知してから不意打ちをする程度だ。
ここは亜島に頭を下げてこの場を去るのが無難か?でもここで謝ったところで日ごろの態度を改められそうな気もしない。どうする?我輩・・・
ゴンゴン
「アッシマーただいま。」
「ただいま。」
「ああ、ラブカ、ハジメくんおかえり。」
「アッシマー。リンゴなんかつぶしちゃって何やってんの?」
「ああ、これはだな・・・リンゴジュースを作っていたんだ・・・ああ。」
「本当なの~?」
たっ助かった。ラブカさん、アンちゃん感謝する。にしてもアンちゃん嫉妬してるな。悔しいなら声の一つや二つかければいいのに。おっとこの場から逃げなくては、我輩はそそくさにこの場を去る。
「ハジメ君、飲まないか?」
「えっ遠慮しておきます。」
数時間後ハジメは古本屋の(今、主役たちのいるアジトは表向きは古本屋に偽装されている、詳しくは1-3を見てね)卑猥な本を整理していた。いくらテロリストといえども生活費を稼ぐためには働かなくてはいけない。まあ、手伝いはしたくはないけど気を使ってやんないとな。
「アンちゃん顔色悪いぞ、ラブカさんにこっぴどくしかられたのかしら?」
「別に何も。」
「何か困ってることでもあったら相談に乗るわよ。」
「えっ、ああ、ありがとう、何かあったら話すよ。」
だがしかし、ハジメの顔には書いてあった。「イキナリナンダ、キショクワリー、イマノナヤミハキサマダ」
その夜、指導部からアジトに連絡が来た。敵国の山田コンヤガ将軍(真自は憲法九条を破棄しているため軍を持っている)暗殺しろとのことだった。