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2-1 欺瞞の散歩

第二章スタートです

 小隊三つ玉砕!大鷹社社長暗殺!官僚六名狙撃!

 カタカタカチッ

 これは全部李院さんの仕業だったのか。ハア。リンリン・李院・凛鈴・リンリリンリ・李院・輪鱗(リンリン・リイン・リンリン・リンリリンリ・リイン・リンリン)。二十歳の女性、スリーサイズは知らん。元傭兵の天才的な狙撃手。右目盲目、左目ぼやけ気味。視覚以外の四感はかなり敏感。三角器官は二㎞先の人の心臓の鼓動を感じることができ、この力で驚異的な狙撃をこなす。。通称無差別スナイパー。その正体は新自しんじはとにかく和国内でもあまり知られていない。

 おっと失礼わたくしは元和国の兵士、今はテロリストで人生で多分二十人くらい人を殺したことのある一一カズハジメである。彼女イナイ歴=歳=二十年。わたくしは約二十四時間前に李院と共に暗殺の仕事をしていた。わたくしの役割は李院さんの護衛、補佐、そして彼女の銃の照準の誘導である。

 彼女さんろくに目が見えないからほっとけば周りの人に見境なく撃ちまくる。まあ、口封じになるし、テロの第一目的は恐怖を与えるといったところに関しては理想なのかもしれない。上層部の指導部もゴーサイン出しちゃうんだろうな。

 にしても、気持ち悪いなあ、わたくし、いくら相棒とはいえ口論になった女について調べるとは。アジトのパソコンにてインターネット使って最近のニュースで李院に関わりのありそうなニュースを片っ端から調べていた。おっと足音だ。まあ消すとするか。

 ガチャ

 「あんちゃん何見てたの?消したってことはHなサイト?ロリ触手攻めとか?」

 「ばっ!そんな趣味ネーヨ!・・・いやっありません!」

 李院は横から割り込んでくると勝手にマウスをいじって履歴を見だす。

 「これ?これ?それともこれ?」

 「だから人妻(これを喜ぶのは世界の中で日本人の一部だけらしい)もオネショタ(お姉ちゃん×幼い男の子)も出てきませんから!」

 「それってあなたの好み?」

 「ギクッ!」

「ハイハイそこまで。話忘れていたのはネット使う時は許可取って。ハッちゃん、何見てたのかしら?」

 一人奈ラブカ上司が部屋に入ってくる。わたくしは答えられるわけがない。いくら相棒とはいえ異性にストーカーめいた調査をしていたとなんて。わたくし絶体絶命(絶対絶命は間違い)・・・と見せかけて・・・この場から逃げ出し、なおかつ自らの欲望をかなえる手段を見つけたのだ。

 「正直に話したいと思うのですがここには地獄耳の李院さんがいますので外で話してはいけませんか?」

 「いいわ、買い物のついでってことで外に出ようかしら。リンちゃんは亜島とお留守番、パソコンには触れないで。仮にもハッちゃんは男の子なのよ。」

 こうしてわたくしは晴れて一人奈さんと二人っきりになることに成功したのである。町は相変わらず人でにぎわっていた。人々はたわいもない話をしながら食料品や衣料品の売買をしていた。

 家電製品を売る店のテレビでは官僚腰梨バザムが狙撃された件が報道されたものの周りの人たちは政治に関心がないからかカンリョーが五、六人死んだところでなんとも思わないのであろう。それに、今回は自爆テロと違って巻き添えがたったの三人(1-5で李院が試し撃ちして殺した人数)で済んだこともある。といったところで話を戻そう。

 「でハッちゃんは何を見てたのかしら?JK亀甲縛り?」

 「・・・相棒へのストーカー行為ですよ。最近の新聞サイトを見ながら。」

 「あらハッちゃんははリンちゃんのことそんなに気になるの?」

 「そうではなくあの仕事っぷりはちょっとあれかと。そもそも自分は彼女の護衛には向いていないのかと。一人奈さん、自分は本当にこの仕事が合っているのでしょうか。」

 「誰だって嫌になるでしょうね。確かに彼女には人を殺しているという自覚は足りてないわ。けど、戦場では使えるものを使うしかない。それこそは戦場の現実、誰にも変えられはしないわね。彼女は以前にはあなた以外に三人の相棒がいたわ。うち1人は仕事一回で退場。残りの二人が四か月づつで交代になったのよ。」

 「自分はそんな現実に立ち向かえる気がしませんよ。もう人殺しには嫌気がさしてますし。」

 すると一人奈は立ち止まる。

 「そうは見えないわねハジメ君。リンちゃんは報告書に書いていたわよ。からかわれた時と人の死に遭遇したときのあなたの心臓の鼓動にそこまで違いはないと。」

 「いくら心臓が落ち着いていても心は。」

 「心と体は常につながっているわ。脳みそは体の一部よ。あなたはただ常識人ぶっているだけよ。だからこそ私はあなたをリンちゃんにたくしたのよ。」

 その後わたくしと一人奈ラブカ上司は手分けをして買い物を済ませると二人で大荷物を持ちながらアジトに帰っていった。なんだかすごく安心した。やっぱり一人奈上司は一味違う。これからは仕事頑張っていかないとな。

 一方、一人奈ラブカは心の中でつぶやいた。

 「ハッちゃん、あなたは常人、超人なんかじゃない。戦いの狂気に飲まれたらそれっきり。でも私はウソをついた。償えるとは思わないけど許して・・・ハジメ君。」

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