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3-4 太陽よわたくしに力を

 「わっせわっせ・・・」

 わたくし一一カズハジメは仲間の太平洋と共に洋斎アルクの死体を担ぎながら正体不明の狙撃手から逃げていた。まあ、今狙撃手がどこにいるかわからなかったから洋裁の死体を盾として利用しているのだが。それでも追いつかれたら勝機はないため目的地までは回り道をすることとなった。カモフラージュのためあえて森の中に入ったのだ。

 「ここまで来れば大丈夫だろう。必要な荷物だけ取って死体を隠そう。」

 「はい。でもそんな時間ありますか?」

 「心配はいらないよ。この時代は真自の町以外では死体なんてよく転がっているもんさ。とりあえず服と武器をはいじゃえば首もないし誰にも正体がばれたりはしないさ。」

 というわけでわたくしと太平は洋斎の背負っていたバック及び服から武器や和国にゆかりのあるものを取り出して彼が彼であった証拠を消す。まあ、どうでもいいけど誰かに見られてホモと勘違いされませんように。数分後、作業は終わり、ふたたびしゅっぱつすることになる。太平は伸びをする。

 「うーんあと三時間も歩けば目的地に着く。さあ、もうひと頑張りだハジメ君。」

 ブチュッ!!バタッ

 「っ!?」

 太平の頭の上半分が消える。彼は狙撃されたのだ。ということは例の狙撃手はまだわたくしを補足しているということか。こうしてはいられない。とりあえずその辺の茂みに隠れる。どうする?

 変に動けばこの世からおさらば。この場からうまく逃げだしたら狙撃手を仲間のいいるところに呼ぶことになる。すると残された選択肢は戦って勝つ?

 ボシュッ!

 敵はわたくしのバッグを狙撃。わたくしの周りには乾パンや水等物資がぶちまけられる。まずい。こいつは李院並みのやり手だ。うかつに頭も上げられないぞこりゃ。

 パキッパキッサッパーン!ガサッ!

 数秒後敵はわたくしを狙撃できる位置に行こうとして動き出したためわたくしは敵が動く音を頼りに移動したところを狙われたが何とか避けた。やばい、確実に追い詰められてる。・・・しかし、なんかおかしい。普通狙撃手はコソコソと身を隠しながらじっくりと敵を追いかけるのが仕事のはず。それなのになぜ自分の位置を教えてまで移動したんだ?

 パンッ!!バシュッ!!

 やっぱりこいつ焦っていやがる。何かやつを急かしている?よし、こうなったらもう一度双眼鏡だ。わたくしはご自慢の作的能力(後付設定)で敵を発見する。ふむふむ、あいつは李院同様にスコープのないライフルを・・・

 パンッ!!バシュッ!!

 ルッセー!!この野郎。要は照準が目任せだから狂くなる前に蹴りを・・・とすると東に逃げるかな。(暗い所に行くため)いやっこの時間帯はあえて西か・・・かけてやろう。わたくしは先ほど念のために持ってきた割れた鏡を頭の上に置いて目を閉じる。(これは敵の居場所を知るためではなく弾を消費されるために出した)

 パンッ!!バリン!!・・・ガチャガチャ・・・

 この音は弾切れか。荷物もなくて身軽ならいけるかも。わたくしは敵が弾倉を交換している間に東に向かって走る。

 ザザザザ・・・パンパンパンパン!・・・ツルッバタッ(空薬莢は右から出る設定なのでハジメは右に向かって走っていたことが分かる)

 わたくしは誤って空薬莢につまづいて転ぶ。しかし、わたくしはあきらめずに転がりながら目的地点を目指す。敵はチャンスとばかりに数発撃ってきたが全て外れた。それもそのはず、わたくしが暗くなりつつある東ではなくまだ明るい西に逃げたのは西日で敵の目を封じるためであった。沈み行く太陽を背にしたわたくしはまっすぐと敵に向かいながらピストルを数発撃つ。

 「ぎゃー!!」

 わたくしの撃った弾が数発命中して敵はうずくまる。わたくしは警戒しつつうづくまる敵に近づく。敵はうづくまったまま足を押さえつつわたくしに降伏した。私は銃を突きつけながら

 「今あなたが持っている情報を全て教えてください。」

 「俺は雇われただけの傭兵だ。お前みたいな駐屯地から前線に補給をするやつを殺せとだけいわれた。まあ、一人殺して十本で数の方は指を切って持って帰れた分だけ報酬が出る。お前らがそこのゴツいおっちゃん連れていっちゃった性で追いかけざるを得なくなった。おっとそうだった。俺はあいつらの本拠地は知らない。」

 「それにしてもあなたの体には何か違和感を覚えますけど。」

 「薬物系の拷問を受けたんだ真日軍にな。だけどガキの養育費作らなきゃいけなくてな。おーいいい報酬くれんならそっちにつくぜ。」

 「結構だ。言い残すことは?」

 「アー後三人の女を抱きたかった・・・いやっいやっ違う・・・ところで俺の娘って言われてもわかんないよな。

 「養育費送っているのに知らないわけ?」

 「そっちは把握しているけど愛人のこがな・・・やー!!」

 敵はいきなり落ちていた木の枝でわたくしの顔を突こうとするがかすり傷で済ませる。さらにキックを打ってきたが再び元通りに取り押さえて頭に銃を突きつける。

 「本当にぶっ殺すぞ!!」

 「使えそうなもん使っただけだ。」

 ん?そういえばこいつ誰かに似ているような。まさかな。

 「もしかしてあなたのファーストネームはリンリリンリですか?」

 「そうだ。もしかして俺の娘を知っているのか?やっぱり俺の言いつけいまだに守ってたりするのか?」

 「・・・全部秘密です。リンリンに免じて命だけは奪いません。まずは服を脱いでそこの木に両手を回してください。」

 リンリリンリはおとなしく服を脱ぎ木に手を回す。私は手錠をかけると荷物をまとめてから会えて目的地とは逆の方向に歩き回り道をした。

 約三時間後私は何とか目的地にたどり着いた。よし、これで仲間と例の赤ん坊は助かる。おやっ?なんかいいにおいがする。肉鍋か?肉はどこから?まさか・・・

 「おおかえりなさいハジメさん。」

 「よお、いいにおいだなジャック。」

 「ええ、ハジメさんも早く食べましょうよ。」

 「で肉はどこから?」

 「えっえーと運がよくて。」

 「何の肉なんだ!」

 「ごめんなさい!!」

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