強きを夢見て
「アインさん、どうしたんです?」
「いや、友達と一緒に入ったから、今どうしてっかな~って思ったんだ。まあ、いいや。ヨロシクな。」
アタシが握手をしていこうと歩き出すと、凄い爆破音が響き渡った。
「ぎゃ~!敵襲だ~!!」「わーわー。」
「アインさん、早速お願いできますか?」
お願いって?
「何だ?アタシはどうすりゃいいんだ?」
オロオロ、あわあわ。どーしよー。
「行き成りで悪いんですけど、戦っては貰えませんか?こ、この場所、プレイヤー、アインさんも入れて八人しかいないから、新人さんにも戦って貰わないとなんです。ほ、本当にごめんなさい。」
初っ端戦うのか!?何か…。
「ワクワクすんな!」
戦争ってどんなのなんだろ。超楽しみだぜ。
「ヨシノ、兵力は二万人。武将はなし。兵種は弓兵。あと、鉄砲隊も。」
男性が何処かから出現して言った。この人、前髪長くね?リアルでもこれなわけでしょ~、邪魔っしょ。
「俺、ファル。君、アイン?宜しく。」
「ああ、アタシがアインだぜ。ファル、ヨロシクな。」
八人しかいないとか言ってたし、全員に挨拶しないとな。アタシと、ヨシノと、ファルと、あと…八-、一、二、三…えっと、八-三?分かんなくなっちまった。まあ、とにかく!ちょっとしかいないんだから、挨拶するってことか。
「アインさん、ステータス見せて戴きました。あっ、勝手に見てごめんなさい。その、アインさんは、ごめんなさいですが、えっと…敵陣に突っ込んで下さい。兵は最高まであげますから。あっ、上から目線でごめんなさい。とっとにかくっ、死なない程度に思いっ切り戦って欲しいんです。」
「分かりやすい指令でありがとな。思う存分暴れていいんだな。」
何か小難しい作戦とか言われなくて良かったぜ。自由に暴れる方が、きっとアタシには合ってるさ。
「ヨシノ、珍しい。じゃあ俺、援護か?」
ファルが欠伸しながら言った。何か、凄いヤル気なさそうだな。
「はい。ファルさんには、アインさんの援護をお願いします。」
他の人達はどうしてんだろ。
「敵も、分かってる。人少ない、時間。」
今は、真昼間か。アタシだって、学校の創立記念日だから入れただけだもんな。普通なら、平日の昼間に居ないよな。