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強くなる思いさえ
『ピロロロ〜ン』突然携帯の音が鳴り響き、アタシは慌てて起き上がって手に取った。裕二からだ、アタシは何だろうと不思議に思って電話に出る。裕二、もうログアウトしたんだ…。
『あっ、なあ夏鈴ゴメン。信頼する仲間とかもいたんだろうに、俺のせいでお前は戻れなくなってしまった。ホントに、ゴメンな?』
『うるせえ、謝罪なんていらねえよ。だってアタシも、国の為にたくさんの武将を斬ってきたから。弱いから死んだ、ただそれだけだ。むしろ礼を言う、最後…ありがと。自分の手で友達を斬る、すごい勇気がいるだろ。でも裕二は、アタシの願いを聞き入れてそうしてくれた。アタシは強い奴に負けた、正々堂々闘ってそして負けたんだ。未練はねえよ』