第22話 装備更新
ロニを連れて、装備品を見に行く。
「ミツルは、どうしたい?」
「レザーアーマーから、金属ヨロイにチェンジしておきたい」
戦士職だからな。頻繁に、前に出る必要がある。
ロニに向かってくる攻撃も、防がなければ。
『ではワタクシが、ミツルさんのお古を装備させていただきます』
「うむ。それで頼む」
オレは【ビースト・レザーアーマー】を、キナ子に渡す。革のヨロイといっても、魔獣が素材だ。防御力は申し分ないだろう。
「こんにちは」
「おう、いらっしゃいませー」
地球のギルドとは違うドワーフが、店に座っていた。こちらは、女性だ。
「どうしようかな」
ドワーフは、地球側にもいる。こちらを利用していいものかどうか。
その旨を話すと、ドワーフ少女は「問題ない」と返してきた。
「鍛冶屋のレベルは、地球でも共有されるぞー。つまり地球でドワーフに頼んだ行動は、オイラにも更新されていくんだぞー」
つまり、同じドワーフを相手にしていると思っていいのか。
だとしたら、どちらを利用しても同じだろう。
見たところ、展示している装備品も、地球と似たようなものだ。
「どれにするー?」
「実は、素材を持ってきたんだ。これで、一着作ってもらいたい」
「おやすいごよー。でも市販品より、ちょっと強くなる程度よー。それでもいーい?」
市販品の装備に、魔力を付与するのだという。
「それで頼む」
「おけまるー。【スケルトンの骨粉】、【歪んだ角】、【銅を飲んだスライムの雫】で、おーし」
オレが素材を渡すと、ドワーフはその場で装備を作ってくれた。市販のヨロイをバラして、素材を砕いて混ぜ合わせているのか。
で、またヨロイの形に戻す。
「ほいよー」
「めちゃ早!」
あっという間に、装備ができあがった。
市販の金属製胸当てが、青色に光る。
「【聖なる鉄の胸当て】に、変化させてみたぞー」
各種属性魔法に対する耐性が、三〇%ほど上がった。
物理防御力は、今まで使っていたレザーアーマーの二.五倍に。
腕と足装備も、鉄製のものに変える。
他にもキナ子に譲った【ビースト・レーザーアーマー】を、【ビーストレザー・サーコート】にしてもらった。上半身だけではなく、下半身もすっぽりと防御する。
「こっちは、装備してはダメだよな?」
オレは試しに、【ボーンメイル】という防具を見せた。いかにも禍々しくて、触りたくもない。
「ダメー」
少女ドワーフは、腕でバッテンを作った。
「潰して特殊効果だけ取り出しても、ロクな効果はもらえないぞー」
素材としても、NGか。だったら、換金確定だな。
換金したら、結構な金額となった。
ギルドでの報酬なども含めて、相当なカネを手に入れたわけだが。
「ロニ、欲しいアイテムがあったら言ってくれ。お近づきの印に、装備品を更新しよう」
「悪いよ。みんなで使おう」
「みんなは、お前さんも含まれるんだぞ。遠慮しなくていい」
オレがいうと、ロニはコクリとうなずく。
「じゃあ、この【マジカルコート】を」
ロニは、オレンジ色のコートを指差す。
「まいどありー」
ロニは、マジカルコートという外套を手に入れた。
これなら全身を防御できるだけではなく、体の線も隠せる。
あくまでも、ロニは男装しているという体だ。
他にも、フードの認識阻害レベルも、上げてもらう。他にも、【隠密】の効果を付与してもらった。
「似合ってるぞ、ロニ」
「ありがとう。じゃ、武器も見せて」
まだ、金は余っている。使えるだけ、使ってしまおう。
「いいの?」
『経費は、あらかじめ差し引いてあります。遠慮なさらず』
「わかった。じゃあ、オフハンドを」
オフハンドとは、利き腕ではない方の腕をいう。
そこに装備をつけることによって、魔法の効果を上げたり盾で攻撃を防いだりするのだ。
「これにする」
ロニは、【水晶の短剣】というナイフを買う。
これは、刺突などの殺傷武器ではない。水晶の刃によって、魔法の威力を上げるのだ。
アタッカーなロニらしい、武器である。
オレも、武器を更新しよう。
まず、杖があまりにも弱い。初期杖だったもんな。
魔法のお試し期間は、終了と。
「強めの杖はないか?」
「店売りなんて、こんなもんだぞー」
どの杖も、威力はまあまあという感じである。特に尖った性能はない。
片手杖にするか、両手杖にするか。
よし。片手杖で、オフハンドは盾持ちにする。
盾で魔法防御を高めて、片手杖で攻撃をするか。オレの魔法は、補助メインだもんな。
一番強いラウンドシールドを、手に入れた。これをさらに強化する。
「ファイアソードも、素材さえあったら強化できるぞー」
「頼む」
「えーっと【果実スライムの素】、【スケルトンの瞳】、【ボルケーノベアのアバラ骨】、でトンテンカーン」
ファイアソードレベルが、レベル二にまで上がった。
「ありがとう。助かったよ」
「またおいでー。潰せば、再び素材になるからなー」
錬金術師のスキルを習得すれば、自分で加工ができるらしい。
しかし、そこまでする必要はないだろう。
エンジョイ勢ならともかく、今のオレたちは、違法ダンジョン建設を狙う盗賊団を追っている。




