「どう可愛いのか」「より多くの人に伝わる可愛さって何か」
さて、シーン的には先程の続きですね。
”ここで重要なのは、意図を持って作るのが「良い」とか何も考えずつくるのが「悪い」とかそういう話じゃないの”
”え?”
”そもそも個人的な「表現」には「良い」「悪い」なんてないの。
だから「良い」を目指すとか、「悪い」を避けるとか基本無意味なのよ。
たとえば「すごいROMを作ろう”」って思っていても、うまくいかないと思うんだよね”
”あ”
”「良いものを作ろう」「凄いものを作ろう」って良し悪しを基準にすると迷路に入り込む。
極端な話ROMの写真の意図なんて「リリエル可愛い!」だけでいいわけ」
”「どう可愛いのか」「より多くの人に伝わる可愛さって何か」その解像度を上げていくと広くウケる要素にはなるけど、ROMは商業じゃないから別に好きにやっていいわけよ。
誰に伝わらなくても2人でキャッキャするのが目的ならそれでOKだし”
”とはいえ1人に刺さるかみんなに受けるかはっきりしないと割り切れないよね。
記号とアートは対極にあってエンタメは常にその中間を取る”
記号(大衆的・一義的) アート(個人的・多義的)
”すみません、話が難しくなってきました。
つまり俺やリリサはどうすれば?”
”よし、簡単にまとめよう”
”芸術に正解はない”
”重要なのはキミが
①「何を」②「なぜ」作りたいか”
”その想い一つ、理由一つで「出力」は変わる”
”①は今話した「作品の意図」②は「動機」「作品に込める意図」「表現する動機」をごっちゃに語ってるけど、「なぜつくるか?」って問いにはどちらも含まれてしまうよね”
”人は言語でしか思考できないから、言葉の「綾」に思考がひっかかることがあんの”
”まあ、話を聞く限り②はあっても①がない状態に陥ってるね”
”そうか……コスプレ作品を作りたい理由はあるけど「ROMで何を表現したいか」が曖昧なんだ”
(中略)
”芸術に良い悪いはないけど……技工の上手下手はすんごいあるの”
創作は記号でありすぎても、アートでありすぎても成功とは言えないんだよなぁというのをわかりやすくまとめてくれているやり取りだと思います。
記号というのは究極的に文字や記号そのものに加えて信号や標識といった意味がわかればいいものに対しアートは個人個人によって解釈が違ってくるものという感じですね。
商業のアニメ・ラノベ・漫画・ドラマは記号よりで、同人などはそれよりもアートよりなわけです。
無料WEB小説やツイッターなどのSNS無料漫画はもっとアートよりでもいいのでしょう。
逆に和歌や俳句や短歌といったものは芸術よりなのかなと思います。
そして、”「どう可愛いのか」「より多くの人に伝わる可愛さって何か」その解像度を上げていくと広くウケる要素にはなる、という部分が肝かなと思います。
よく言われるテンプレ無個性ヒロインなどになってしまうと記号そのものなのでキャラとしての魅力を持たなくなってしまいますからね。
でもありがちヒロインやスパダリでも個性とか人格、経歴がわかる描写があれば魅力が付随してくるのだと思います。
男性向けラブコメの難しいところはこのテンプレに対しての肉付けがありきたりになりやすいからかなーと思うんですよね。