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「おはようございます!」
聖美が笑顔で言うのを見ながら、ホッとする。
良かった……今日は、まだ変わらず、ここに居てくれている。
アレベは、毎朝、どうしても確認してしまう。
人間界の時のように、突然の別れがあるのでは無いかと…不安になり、朝は重たい気持ちで目が覚める。
そして、聖美の存在を確認してから、二度寝をするのが日課になりつつある。
「味噌汁…」
皆が憧れる存在である美麗な第一級堕天死神らしからぬ、起き抜けのボサボサ頭…で、食べ物を求めるゾンビのように、ユラユラと漂うように、歩いて台所へ。
「アレベさん、アタマ…鳥の巣ですよ(笑)」
楽しそうに笑うので、つられて笑ってしまう。
今までのアレベならば、そんな事を言う相手など、バッサリと切ってきたにも関わらず…
聖美だと、一緒に笑ってしまうのが、不思議な感覚だった。
「どうぞ…今日は、茄子の味噌汁です」
毎日、代わる代わるに色んな具材の入った味噌汁は、とにかく美味かった。
残り物の野菜を片付けるのには、最適なんだと聖美が言っていたが、毎日食べても飽きないのが不思議だった。
茄子は、柔らかくふわっとしつつも、トロッとしたのどごしが朝でも、サラサラっと食べれてしまった。
人間界で一番食べたのが、この茄子の味噌汁だった。
聖美の隣の家のおばあさんが、家庭菜園を趣味にしており、茄子をよくくれたのだ。
「お隣の井上さん、元気にしてますかね…」
「そうだな…」
「僕、死んだんですよね?」
「まぁ、多分……そうだ」
「家…そのまま残して来たけど…大丈夫ですかね?」
「うーん、ちょっと行ってみるか?」
「えっ?そんな簡単に行けるんですか?」
聖美が酷く驚いていたが、アレベには、そう難しい事では無い。
一応、死神鳥に断りを入れとくか…
位にしか考えておらず、ちょっと近所まで……の感覚で。
「今日は、仕事が無いから、ちょうど良い。行ってみるとしよう」
「はいっ!」
聖美が元気よく返事をしたのだった。




