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「それにしても…アレベさん、どうして、こんな遠くまで?」

そうだ…

話をしなくては…

聖美の曇りなき眼を見ていると、怖気付きそうになったが、気持ちを奮い立たせ、アレベは、ポツリポツリと話を始めた。


自分が何故人間界へと行く事になったか。

そもそも、何故死神になったか…

「一応、元天使なのは、本当だが…今は死神だ。黙っていた事を、まずは詫びたい。しかし、何の罪で死神へと堕とされたのかは、ずっと忘れていた。聖美が地獄へ堕とされて始めて思い出したのだ…大事な友人を裏切った為に…堕ちた。ただ、その内容までは、まだ思い出せてはおらぬ…」

「裏切った友人?」

「それは、お前だ、聖美…我は、神の子であり、友人であった其方(そなた)を………裏切った」

すまない!!という叫び声が、洞窟内を大きく響かせた。


聖美は、どんな顔をしているだろうか?

顔を下げたままで、見ることが出来ない。

そりゃあ、誰だって、怒るだろう…

腹が立って当たり前。

もしかしたら、怒りに任せて殴りかかってくるんではないかと、少し身を縮めた。


「やっぱり、裏切られたんですね…それは、何となく分かってましたから」

は?今。なんて?

聖美は、口が開いたまま、間抜けな顔をしているアレベに言葉を続けた

「だから、知ってたんですよ…古い友人だと…友達だと思ってる…って言いましたよね?」

それは、確かに聞いたが、人間界に降りてからの事だと思っていた。

まさか、天界での事を差してるとは…全く思っていなかった

「しかし、それなら…なぜ、裏切った我に…優しくなどと…」

「それは、僕も裏切りの内容や原因までは分からなくて、記憶からは一切消えてるので…でも、僕の直感が…悪い人では無いと言ってて」

直感を信じて良かったぁ〜なんて、笑顔だった

「いや、待て待て。怒らないのか?」

「怒る?ビックリはしましたよ。けど、自分でも理由は分からないですけど…不思議に怒りは湧かなくて。僕に危害を加えるつもりがないのは、分かりましたから…」

「すまない…我が2回も其方を…堕とした…」

「いや、1回でしょ?」

「助けれなかった…2回目」

「いいですよそんなの。とにかくこんな怖い所まで、来てくれて、嬉しかったです。ありがとう」

まさか、礼を言われるとは…


話しながらだと、あっという間に洞窟を抜けた。

元の入口の所で、テッドが待っていた。

「無事なのか!」

「あぁ…」

短く返事をする横で、聖美が元気に答えた

「お疲れ様です!」 

まるで、アルバイト仲間にでも言うように…


「お前か!他の者には、興味を持たないアレベの奴が、どうしても助けたかったのは」

ハハハッと笑っているが、珍しく真剣な顔のテッドが、本気で心配していたのだろう…2人を見るとホッとした表情に変わった。

まぁ、良く事情は分からないが、ゆっくり話せ…と、家へ帰るように言われた。

今後は、どうしたらいいのか分からないが。

アレベは、とりあえず、聖美を我が家へ招待する事にした。



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