イセコイ小説も難しい 〜四話でポイントブクマゼロの爆死を遂げたので、乙女ゲームテンプレについて考えてみた〜
改めて始めから宣言することでもないが、わたしの文章構成力は非常に低い。
ソンナコトナイヨー待ちの、初心者だけど許してね的な言い訳ではない。悲しい現実である。
それでも自分の読みたい妄想をカタチにして残したい。そんな動機で書き始めました。
なろう創作界隈も良く知らぬまま、勢いに任せて、十万字超え長編の投稿を始めたものの、ふと我に返ってしまったのです。
こんなの駄文を垂れ流しているだけではないかと。
そんな当たり前のことに、気がついてしまってはいけませんね……。
事実は事実でも、書き続けることを楽しめていたらよかったのですが、執筆意欲が無くなってしまったのです。
オチまで出来ていた作品の、俺戦エンドの最終話(素人にありがち過ぎる)が、投稿出来なくなってしまいました。
その後は、読み専に戻り、人様の創作を楽しんでいたのですが、ネタが浮かんできたので、また懲りずに執筆を再開してみました。
今度は、悪役令嬢界隈のテンプレを組み合わせた短編ものです。
簡単なようで、書き始めるとやっぱり難しい……。
お馴染みの素材で、被らないネタを書くだけと、思われるかもしれませんが、簡潔な文章にスパイスをつけなくてはなりません。
単純そうにみえる、お笑い芸人の一発ギャグだって、多くの人の耳に残るワンフレーズを放つには、間の取り方や所作など、様々な工夫があるのですから。
同じことを職場の同僚にされても、ダダ滑りでお寒いだけです。
文才が無い自分が、妄想を吐き出すのに、テンプレとは最適なラッピング方法でもあります。
包装紙の外にまで、廃棄物の汚汁が滲み出てしまっては、誰も手に取ってはくれません。
中身がゴミなことに変わりはなくとも、見た目だけでも、なるべく綺麗に整えなくてはなりませんからね。
そんな感じで、二作目の短編を投稿したら、たまたま、上位にいけました。
感想もたくさんもらって、大感激です。
すげぇ!悪役令嬢、ありがとう。
他の作品もそこそこ読まれました。
本当にありがとうございました。
上を見上げて、書籍化されてる方や上手い方と比較しても仕方がないですが、まぐれでもなんでも、ランキングパワーの恩恵には、与かれたのです。
本当に感謝致します。
お陰様で、モチベが上がって、エタっていた厨二病ハイファン長編の最終回を、無事投稿出来ました。
ポイントやブクマは、全然付かなかったけどな。
それでもあの長文に付き合って、読破してくれた人が、そこそこいてくれて、微増しただけでも、充分に嬉しい。
完全に黒歴史とはいえ、作り上げた愛着のある作品。
どうにか完結出来て、誰かが楽しんでくれて、本当によかったです。お読みいただき本当にありがとうございます。
◇◇◇◇
ここでわたしは考えました。
調子に乗って、考えました。
承認欲求に取り憑かれ、考えました。
ハイファンに投稿した作品はあまり読まれないけど、読者の多い、イセコイならばいけるのでは?
悪魔ネタで、また書きたいけど、どうやら今の自分では、ハイファンタジーというジャンルを選んで、執筆するには、まだまだ敷居が高かったようだ。
ゆるふわな自称ダークファンタジーでは、やはり駄目なのだ。時代はイセコイだ!!
書籍化なんて、買わなきゃ当たらない宝くじのようなものですが、当選金額も、ご馳走食べたら消える程度のものでしょう。
SNSでバズったり動画の再生数を稼げても、専業で食えるレベルの人は極わずか。
それでもどうして投稿するのかと問われれば、誰にも見せず自己完結・自己満足するよりも、誰かに読んで貰いたいから。
垂れ流すだけの『つぶやき』よりはアレコレ考え、手間暇かけて、生み出しているのです。
反応を頂けることで、客観的な評価から、次なる目標やモチベーションが高まりますし、自己分析の材料にもなります。
ならば流行りのイセコイジャンルで、もっとソフトな女性向けのラブコメ風作品に、一度は挑戦してみようと思うようになったのです。
ペット動画と一緒です。
ただの親バカうちのコ自慢でさえ、見せ方によっては、ちょっとカワイイお馴染みコンテンツとなり、誰かのスキマ時間の気晴らしになるのです。
せっかく書くのならば、それを励みにこちらも執筆を頑張りたい。
振り回され過ぎては危険ですが、ダラダラと向上心無く、一人書き続けるより、創作に工夫を凝らすには、そういった外的な刺激も必要だと思うのです。
下手の横好きなりの、趣味とのかかわり方です。
オタクの一般認知が進んでいますが、キモオタ扱いを受けるタイプと、スマートに趣味を語れるタイプとでは、全く別の生き物として扱われます。
わたしは断然、後者になりたいのです。
料理に例えるならば、作者の文章力が調理人の腕、書きたいネタやテンプレは素材、ジャンルは調理方法といったところでしょうか。
揚げ物は、カラッと揚げられずに、ビシャビシャにしてしまう自分でも、煮込み料理ならば、美味しく作れるのではなかろうか。
素人料理でも、お口に合う方が、どこぞにおられるのでは!?
店を開けるレベルでなくとも、楽しんでくれる方がいるのでは⁈
結果は……、盛大に爆死しました。
連載作品の投稿初日は複数回更新して、xx時ジャストにならないタイミングでの手動更新と言われてますので、三回更新したものの、ポイントゼロ。ブクマゼロ。当然感想もゼロ……。
ハイファンの闇落ち令嬢も低空飛行でしたが、それ以下です。むしろ無風です。
タイトルとあらすじを何度か直しましたが、変わらずどっちもゼロ。
翌日二日目の更新でもゼロのまま。
永遠のゼロだけは、本当にやめて欲しい……。
お願いだから。
異世界恋愛として、コレ何が悪かったんでしょうか……?
テンプレなら、何でも良いってものでないことは、さすがに理解しているのですが、わたしには、もうなーんも分からなくなりました。
よくよく考えたら、ざっくりイセコイとひとまとめに括っても、幅広い。
前回はイセカイ✕セカイを意識したけれど、今回はイセカイ✕カイジはやめにして、もっとイセコイらしい相手役……、札束ビンタが許されるリッチでカワイイショタを、題材にしてみたのに……。
わたしの書いたナニカが果たして、恋愛小説としてアリなのかと考えれば、正直厳しいものがある。
しいて言うならばラブコメというか、おねショタコメディのつもりでした。
恋愛要素というよりギャグ要素、変態要素ですが、かなりソフトなものです。
キュンとさせる展開や、濡れ場というより、小学生の下ネタのようなもの。
おねショタとは言え、舞台は異世界。
ショタは悪魔で年齢不詳。
言い訳だけは用意していても、児童搾取風味が滲むと、大変に危険です。事案よりも搾取はヤバイ。
児ポもヤバイ。
笑いや共感より、不快感を招いてしまいそうですからね。
わたしは表現の自由戦士としての、チキンレースに挑みたいのではなく、一般受けするオタを目指して執筆しているのです。
同年代でのラブシーンならアリでも、相手がロリショタだとこれはナシみたいな、限界点探しの旅には出ません。
こういう書きたい表現の方向性に気づけたのも、投稿しているからこその醍醐味と言えますが。
今回は、女主人公のドタバタを書きたくて、執筆したのですが、全く受け入れられませんでしたね……。
◇◇◇◇
いわゆる、乙女ゲーム系のテンプレをそのまま使うにしても作者の皆様、それぞれの味付けで個性の違いを出された執筆をされてます。
既にご存じのことと思いますが、なろうテンプレの『乙女ゲーム』はリアルの乙女ゲームとは違います。
ガチな乙女ゲームユーザーから、怒られても仕方ないぐらい、全くもって、異なるものです。
少女マンガのテンプレで考えて下さい。
浮気やライバル役の登場は、基本カマセ犬や勘違いで終わります。
すれ違いや試練は訪れても、最終的には主人公が恋人と幸せに結ばれるのものが読みたいでしょう。
色々あって、最初に登場した恋人候補的な相手ではなく、全く別のお相手とハッピーエンドを迎えるのも良いでしょうが、そこでわざわざ、紐付き婚約者持ちの男なんかを、略奪しにいくか?
不倫や略奪は、大人向けマンガでも、あまり一般的ではないですよね。
成人指定されてない女性向けの恋愛ゲームなら、尚のこと。
ピュアな乙女心を満たしたい時に、ドロドロ昼メロ展開は不要。
そんなのは、受け付けられません。
男性向けの成人ゲーム作品ならば、NTRや凌辱展開もありかもしれません。
人妻や未亡人を落とすのも、アリでしょう。
そこからのムナクソも、場合によっては、純愛展開すらあり得るかもしれません。
純文学にも、そのようなものを、受け入れる懐の深い土壌があると思います。
挿絵という罠が無く、公共の場で背後に注意を払わずに、けしからんものを読むのには、推理小説も適しています。
ですが、女性向けの乙女ゲームでは、ナシなのです。
オネエキャラや、元カノや報われない思い人がいるキャラ、チャラ男までは、相手役の個性としてアリでも、婚約者持ち男の略奪は、あり得ないと思います。
じゃあなんであれがテンプレ化したかって言えば、絶対にあり得ないからこそなのです。
男の前では媚びる女、略奪女、男の価値で自分のステータスまで上がったと勘違いしてマウントしてくる女、トロフィーワイフ化を肯定的に大声で語る女などなど。
なろう的な乙女ゲームテンプレ・ヒドインちゃんは、女の嫌いな女の要素が、それはもう、みっちりと詰まっております。
数多の作者によって、積み重ねられたミソジニーの怨念を、擬人化したような存在なのです。
そんな訳で、いくら叩かれようと、我が信念を貫く強気ビッチな逆ハー・ヒドインちゃんならば、叩き放題、ざまあし放題、いくらでも好きに料理して、問題がありません。
これはもはや、新たなる魔王の誕生と言っても過言ではなかろう。
かくして、巨悪THE女の敵を、やっつけるストーリーは、喝采を浴びるのです。
かつて『臨死!!江古田ちゃん』という四コママンガでは、媚びるタイプのあざとい女キャラを『猛禽ちゃん』と呼んでおりました。
江古田ちゃんは、なろう的なジャンルでいえば、現実世界恋愛かヒューマンドラマに相当しそうなので、風刺は出来ても、過激ざまあは出来ないのですよ。
イセコイならば、現実で遭遇しそうな嫌いなタイプを、ガッツリやり込められますからね。
一方で、なぜそんな道を選んだのかという彼女のこれまでの境遇を考えるものや、ヒドインにはならないヒロインのままの彼女との友情、女の敵は女じゃねえだろなど、様々なドラマが成立します。
現実だとグチるか距離を置きたい無理めなタイプでも、直接的接触がない二次元キャラならば、安心して、あれこれ妄想が出来ます。
またこのような強烈な悪役のロールモデルが、誕生したからこそ、実は良い子な悪役令嬢ちゃんが、逆向を跳ね除けるという物語が、より魅力的になったのだと思います。
◇◇◇◇
今回はそんな悪辣なる魔王、ヒドインちゃんの配下、テンプレ四天王が一人『ズルいが口癖の欲しがり妹』を主人公に据えた作品を書いてみたのですが、無惨な結果に終わりました。
ジレジレモダモダやドアマットで、引っ張り続けるのには、テクニックが必要だと思います。
もどかしいけど、人を惹きつける展開というのは、読み物として優れてますが、イライラして投げてしまうタイプのわたしには、絶対に書けません。
だから、その代わりに、一人称で、思春期的なジリジリとしたもどかしさを、表現してみたかったのですが、人を惹きつける読み物としては、成立してなかったんですね……。
イセコイのお作法的に、10代前半から後半を主役にする以上、精神的な未熟さと成長も、読みどころの一つだとは思うのですが、作り込みが甘く、素人臭さが鼻についてしまったのでしょうか。
うーむ、難しい……。
守り人シリーズのような、女主人公で年齢高めの、恋愛要素薄めでも、成立する骨太ハイファン的な世界観、憧れますがね……。
あんなん書けるわけねーですよ。
なろう的な、お仕事モノにするにしても、このままではどっかの劣化パクリにしかならなさそうなので、次の連載が書けるまで、ゆっくりネタ探しして、文章力も磨きたいと思います。
「欲しがり妹と強欲の小悪魔ちゃん」 https://ncode.syosetu.com/n9228iz/
※爆死中のこちらの作品へ、リアクション頂けましたら、光栄です。リンクを理解したので、下に張りました。
何でもいいって言っただろ的に「つまんねーんだよカス」みたい煽りは、やめてあげて下さい。
優しさという名のオブラートに包んで頂けるよう、欲しがり妹張りに、欲しがらせて頂きます。
五話目投稿したら、2Pとブクマ頂けました。
完全に御慈悲でのお恵みですが、今の己への正当な評価として有難く受け取らせて頂きます。
四話目が抜けていたという地獄のような投稿ミスにも気が付きました。
八話目で、ポイントとブクマが1件増えました。
文章の書いたつもり的抜けを埋めて行ったら、12話に増殖したので、もう少しだけお付き合いください。
最終的にポイント二ケタ止まり……。
わたくしのテンプレ芸は、短編でしか許されてはいないようです。
短編テンプレ芸効果で、ブクマ10になりました!!
ポイント三桁!やったね。
記念にこのエッセイも、改稿改行増やして、スマホユーザーに優しくしました。