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王子の溺愛があったとしても、言葉が通じない異世界でドラゴン討伐なんて無理!  作者: 和泉


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SideStory 浮気1

「……うそでしょ?」

 王宮の薔薇園の隣、噴水と色とりどりの花が咲く庭園でミサキは固まった。


 あの金髪、あの背格好、キラキラ王子服。

 絶対にルイスだ。


「あれ? 隊長じゃん」

「あ、今日オルレイ国が来るってディーが言ってたっけ?」

 ジョンとユーイの会話に苦笑するミサキ。


 オルレイ国なんて知らない。

 綺麗な王女が来るなんて聞いていない。

 庭園を二人で散歩するなんて聞いていない。


 何にも聞いていない。


「っと、おい、ミサキ」

「花瓶に挿す花いるんじゃないの?」

「……今はやめておく」

 ミサキはクルッと向きを変えると元の道を戻り、離宮に帰った。


 ストレートの長い金髪で、可愛いレースがたくさんついたピンクのドレスの綺麗な王女とイケメン王子ルイス。

 こんな貧弱な黒髪の自分なんかよりもお似合いすぎる。


 この国は一夫多妻制。

 国王陛下も奥さんが3人、王太子殿下も奥さんは2人。

 正妃の息子がレオナルドで、側妃の息子がルイスだ。


 結婚したとき、正妃だとも側妃だとも言われていない。

 他に妃を娶らないとも言われていない。


「ナタリーの所に行きたいの」

「呼ぼうか?」

「ううん、ナタリー忙しいから」

 離宮から王宮へ行ってもいい? と聞くミサキにジョンとユーイは良いよと答えた。


 いつも通り普通に何も持たずに王宮の裏口へ。

 いつものように廊下を進み、侍女達の談話室へ行く。


「あ、ミサキちゃん」

「ナタリーはすぐ戻ると思うよ。今さっき荷物を取りに行ったから」

「クッキー食べる?」

 頻繁に遊びに行くため仲良くなった侍女達とお茶を飲むとジョンに告げると、「廊下で待っているね」と手を振ってくれた。


 ルイスが公務でいない時、休憩中の侍女達にいろいろ教えてもらっているのだ。

 気軽に何でも聞けるし、愚痴だってこぼし放題。


 ミサキはさっき庭園で見てしまったルイスの浮気を侍女達に話した。


「オルレイ国の王女でしょ」

 見た見た! と言う侍女。


「私、お茶を出したよ。英雄の大ファンでどうしてもルイス様とお茶がしたいって王女サマがグイグイすごかった」

「大人しそうな見た目なのに、すっごくしゃべる王女だったよね」

 お茶を出した二人の侍女が報告すると、他の侍女達は「へぇ~意外」と呟く。


 ……話が盛り上がっちゃったのかな?

 王女と気が合ったのかな。

 ミサキはバタークッキーをかじりながら目を伏せた。


「……ミサキ様?」

 戻ってきたナタリーはミサキに気づき、困った顔で微笑んだ。


 何も言わずにクッキーを追加してくれる。

 ナタリーも王女のことを知っているんだとミサキは察した。


 以前、レオナルドが綺麗なご令嬢とバラ園を歩いているところを目撃し、王宮から逃げた。

 まさか結婚してまでルイスが綺麗な令嬢と庭園を歩いているところに遭遇するとは思っていなかった。


「……ナタリー、私って、側妃?」

 ミサキの疑問に固まる侍女達。


「そ、そ、そんなことあるわけないじゃないですか!」

「そうよ、ミサキちゃん」

「国同士のお付き合いでね、ちょっとお茶しただけよ」

 ナタリーはもちろん、侍女達がフォローしてくれる。


 でも、国同士のお付き合いで結婚することだってきっとあるのだろう。

 いや、王子だからそちらの方が当たり前だろう。


「……私、もういらないのかなぁ」

 ドラゴンも倒したし、水も戻ったし、もう必要とされていないと落ち込むミサキに侍女達は顔を見合わせた。


「じゃぁ、確かめましょ」

 溺愛されているけれど。


「そうね。隠れましょう」

 さすがに街へ行くのは無理だけれど。と笑う侍女達。


「ちょっと、貴方達!」

「ナタリー、お願い」

 ミサキがお願いすると、ナタリーは盛大に溜息をついた。


 ジョンとユーイには侍女達と湯あみに行くと伝え、もう少し待ってくれるように頼んだ。

 湯あみの入口が見える廊下で待たされるジョンとユーイ。

 

 だがいつまでたってもミサキが出てこない。

 侍女達は何人も順番に出て入っているのに。


「ねぇ、ミサキが中にいると思うけれど、倒れたり気分が悪くなったりしていないよね?」

 さすがに1時間以上経ち、心配になったユーイが侍女を捕まえる。


「え? ミサキ様ですか? いなかったと思いますけれど?」

「は?」

 驚いたジョンとユーイは顔を見合わせた。

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