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現実世界❲恋愛❳ 短編もの

曖昧な距離

作者: 日浦海里

私の働くバイト先では

お母さんぐらいの世代の人と

同級生の人たちと

時々大学生のヘルプが

混じって一緒に働いている


一般的な募集はなくて

誰かの紹介でバイトが増える

そんな変わった職場だから

働く人は女性ばかり

だけどたった一人だけ

男の子がそこに混じってた


今から思えば不思議だけれど

その子がそこにいることは

あまりに当たり前のようで

年上の世代も

同じ世代も

違和感もなく働いていた


違和感もなく溶け込んでるから

誰も意識していないけど

彼に違和感を感じないのは

きっと彼が優しいから


普段バイトで働いてても

男の子にはありがちな

活発なとこや

勢いなんかは感じないけど

バイトが終わって一緒に遊ぶと

そんなことがないって事は

見てるとなんとなく分かってくる


だからきっとバイト中は

周りに合わせてそういうとこを

自然と抑えて振舞ってるって

そんな風に感じてる


「無理してない?」

って唐突に一度聞いてみたことがある

改まるのは恥ずかしくって

はぐらかすためにそうしたけれど

何が?って聞かれることなく

「普通だよ」って返されて

私のほうが慌ててしまって

「何が?」なんて言ってしまった


そんな私を見た彼が

おかしそうに笑いながら

「無理してない?」と返したので

ほんの少し戸惑った後

「普通だよ」と答えてみると

「いつも通りなら大丈夫」

そう言って、頭をぽんと撫でてくれた


結局はぐらかされたような

けれど分かってくれてたような

複雑な気分になったけれど

それでもその日は嬉しくて

周りからは「大丈夫?」って

聞かれる羽目になってしまった


今度ははぐらかされないように

ちゃんと話してみようかな

シフトに二人で入れるときって

次は何日だったかなぁ

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