表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
55/55

4-7.未来への伝承

 翌年以降もお相手はいろいろ変わったり、また同じお相手だったりしながらも、吉住ファームでの種付けは安定して毎年数頭続いた。

 子どもの方も比較的順調に産まれ続け、産まれた子たちはすべて中央デビューを果たすという安定さだった。まぁこれは吉住ファームの信用が大きかったとも言える。


 それでも、すべての産駒が中央で勝利を上げるというのは称えてるべき偉業だろう。ただ、重賞まで進むようなずば抜けた産駒は少なく、初年度産駒の重賞勝ちはなし。名牝と言われてもいい牝馬たちの産駒としては、相当物足りなかったとも言える。


 産駒が少なかったのが一番の原因ではあるが、種牡馬ランキングに一度も載ることなく、15年の種牡馬生活を終え、今は悠々自適の生活を送っている。


 ただ、近年になってやや異変が起こっている。後継種牡馬となるような活躍した牡馬は誕生しなかったが、安定した成績を残した牝馬たちはすべて繁殖に上がり、多くの孫たちが産まれている。

 その孫たちの世代の活躍が目覚ましいのだ。

 そのうちの1頭、スギノプリンセスとの間に産まれた牝馬の産駒の牡馬が皐月賞を勝ったのだ。比較的牝馬の活躍が目立っていた孫世代であるが、牡馬での活躍馬、しかもクラシックホースが出たことにより、ブルードメアサイアー(母の父)としてのビーアンビシャスの価値があらためて注目された。


 今になって、もう亡くなっていた吉住正勝氏の慧眼と長期的戦略が称えられた。長距離晩成型であるがゆえに注目度の低かったビーアンビシャスを拾い上げ、たいした産駒を出さないと批判されながらも名牝たちとの交配を辛抱強く続けた成果がここに来て実ったのである。

 また、各国から地道に集めた日本では馴染のない血統の種牡馬たちとの配合がここに来て光を放ち始めていた。

 今になって言えることとしては、ビーアンビシャスはあまり特徴のない種牡馬であった。ただ、牝馬の良さをそのまま次の世代へ繋げるという意味で大いに役立ったと言える。


 ビーアンビシャスの血は牝馬たちを通じて未来に繋がることが出来た。

 だが栄枯盛衰の激しい競馬界のこと、その血が今後も伝え続けられるのか、はたまた新しい血に飲み込まれ消え去ってしまうのか、今の時点でそのことを知るものは誰もいない。

今回で最終回となります。途中長期間の休載などありましたが、ここまでおつきあいいただきありがとうございました。

最後に『ブックマーク』や下の『☆☆☆☆☆』を『★★★★★』に評価していただけますと嬉しく思います!


皆様の応援がモチベーションに繋がりますので、よろしくお願いいたします!


また他の連載中の作品は下にリンクがありますので、そちらも見てください。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
完結お疲れ様です。 最後ちょっと巻いてた気がするけど一時期は更新が途絶えてた事を考えるとメデタシメデタシというところでしょうか?
お疲れ様でした。 エタるかと思ってたので、完結させてくれたのは、ありがたいです。 後継種牡馬は出なかったかぁ……
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ