表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

9/15

9回目 上手くいくわけがないという事を前提にした利用方法

 捕まえた浮浪者達は一旦解放する。

 その際に、するべき事を指示する。

 ヒロキ達の所に近づいた者がどうなったのか。

 それを伝えるように。



 話はすぐに広がっていく。

 どこが危険なのかという情報は特に。

 命に関わる危険についてはとかく情報共有が早い。

 そういった連帯感を、不思議と誰もがもっていた。



 これが食料のありかなどだったら、ほぼ確実に広がらないが。

 そこが人間の人間たる所以なのかもしれない。



 ともあれ、これでヒロキ達にちょっかいをかける輩は減った。

 求めるものがそこにあっても、命の危険があるなら近づけない。

 それは、悪さをする者達にほぼ共通する動きである。



 襲撃をかけるのは生きるためだ。

 相手の持ってるものを奪って、自分のものにする。

 手段はともかく、それも生き延びるために必要だからやっている。

 だからこそ、確実に勝てる相手に攻撃をする。

 つまりは弱い連中を狙う。



 強い奴らとやりあえば、自分達が死ぬ可能性が出てくる。

 それでは襲う意味がない。

 それでも最終的に勝てるならともかく。

 そうでないなら、やり合うだけ損をする。



 かくて弱い者が集中して狙われる。

 強い者が生き残る。



 そうした者達にとって、ヒロキ達は既に手に負えない存在になっている。

 もともと武装はしていたが。

 地雷によってその攻撃力は増大した。

 近づけば確実に吹き飛ぶ。

 そんな所に攻め込もうという者はいない。



「これで当分は安心だ」

 師匠の言葉にヒロキは安堵する。

「だが、これで終わらせちゃいかん」

「というと?」

「徹底的にやらなきゃダメだ。

 いいか、徹底的にだ」



 それから師匠はヒロキに案内をさせて周囲を巡っていった。

 やることは単純。

 目に付く浮浪者達は始末していく。



「いいか、こういうのが近くにいると、それだけで危険になる」

 次々に始末しながら師匠は説明をしていく。

「誰が味方か分からない。

 どれが敵に加担してるか分からない。

 だったらやる事は一つ。

 近くにいるのは残らず潰す」

 そうしないと安全を確保出来ない。



 小石隠すにゃ砂利の中。

 似たようなものの中こそ潜入しやすい。

 今回の場合は浮浪者だ。



 その中の誰が敵にまわってるのか。

 調べる事は出来ない。

 だから、砂利ごと排除する。

 そうすれば、危険は全て消えていく。



「周りにいる連中全部を片付けろ。

 そうすりゃ、安全になる」

 疑わしきは全て罰する。

 そうでもしなければ安全など確保出来ない。



 実際、そうしていく事でヒロキ達の居場所は安全になっていった。

 無理して近づいて死ぬような者が消えた。

 ヒロキ達に近づいて来た者達は別の場所へと流れていった。



「次の段階に進むぞ」

 そう言って師匠はヒロキに次のやり方を教えていく。



<注意>

 現実の群馬県、およびその関係する諸々と本作は一切関係はない。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ