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6回目 ここ最近の不穏な状況と悩み

 群馬。

 一体型複合都市。

 生産から処分まで全てがとしないで完結する場所。

 その中に集約された、旧群馬県。



 高さ1000メートルを頂点とする、ピラミッド型の三角形構造。

 その頂点にはこの都市を統括する統治者がいる。



 そして、その底辺には、この都市社会の中での最底辺が這いつくばっている。

 今を生きる事もままならなず、一秒後の自分を保つためにもがきながら。



 佐奈加瀬さなかせヒロキもそんな奈落の底でもがいてる一人だ。

 今日も居場所と安全の確保のために、武器を持ってうろついている。

 ゴミための中での生き残りを賭けて。



「どうなってる?」

「監視範囲の中には映ってないね」

 通信機越しに話をしていく。

 状況を確かめるために。

 それによれば、今のところは安全のようだ。

 もっとも、

「さっきは映ってたんだろ?」

「そうなんだけどね」

 油断は出来ない。



 ヒロキの住んでる地域には、警戒装置が設置されている。

 全て朽木からもたらされたものだ。

 それらがヒロキ達に迫る危険を察知している。

 それに反応があったから出てきたのだが。



「けど、いないってどういう事だ?」

「逃げたんならいいんだけど」

「あると思うか、そんなの」

「ないよね、どう考えても」

 不安と懸念が頭をもたげてくる。



 機械に反応はあったが、姿は見えない。

 それが不気味だった。



 警戒装置の故障なのか。

 相手が警戒装置をくぐり抜ける手段を持ってるのか。

 それとも、本当に逃げたのか。

 あるいはそれ以外か。



 原因が分からないのが恐ろしい。

 相手がいないならその方がありがたい。

 だが、もし姿を隠してるだけならば。

 最悪、警戒装置をくぐって内部に入りこんでるなら。

 相当な危険にさらされてる事になる。



「なんとか見つけないと」

 そう思うのだが。

 もし捜索対象がいないなら発見する事は出来ない。

 探すだけ無駄になる。



 だが、もし何かが忍び込んでるなら。

 ここで手を抜くわけにはいかない。

「面倒だな」

 ため息を吐きながら周囲を探っていく。



 とはいえ、探るといってもそれほど難しくはない。

 多機能ゴーグルで周囲を見渡せば事足りる。

 赤外線などを探知する事も出来るので、人間などは発見しやすい。

 探知範囲が狭いので、それなりに接近しないといけないが。



 それでも何の手がかりもないよりは良い。

 地道に周囲を探っていく。



 ただ、その日はそれ以上の結果もなく。

 警戒と捜索は徒労に終わった。

 そうなってくれた方が良いのではあるが。

 成果がないというのは気持ちの消耗が激しい。



 問題なのは、このような事が何回か続いてる事だ。

 不心得者が近づいてくるのは珍しくはないが。

 何の成果も出せずにいるのは珍しい。

 たいていは、何かしらの結果が出てくるものなのだが。



「どうなってんだ?」

 疲労をおぼえながらねぐらに戻る。

 放棄された場所を勝手に不法占拠してるだけだが。

 本来の所有者がやってこないので利用している。

 その床にそのまま寝転ぶ。



 警報は出るが、相手がいない。

 そんな事が続いてるのは何故なのか?

 それが分からないのがもどかしい。

 だが、疑問よりも疲労感が強い。

 とりあえず目を閉じ、問題を忘れる。

 今は気を休める方が大事だった。






<注意>

 現実の群馬県、およびその関係する諸々と本作は一切関係はない。

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