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15/15

15回目 無茶を通すならば

「というわけで、残ったのを潰してきた欲しい」

 呼び出しを受けたヒロキはため息を吐く。

「そりゃいいけどさあ」

 そんな事だろうとは思った。

 しかし、予想が当たっても嬉しくはない。



 やる事は今までと同じ。

 幅をきかせてる連中を潰してくるだけ。

 ただ、それが今は面倒にもなっている。



「襲撃受けたばかりだろ。

 警戒してるぞ」

「そりゃそうだろうな」

 平然と言い返す朽木に、ヒロキはため息を吐く。



 考え無しの連中でも、襲撃を受けた直後は警戒くらいはする。

 その分、いつもよりやりにくくなる。

 そんな所に突っ込めと言われて、はいそうですかと頷けるものではない。



「もう少し時間をあけてからにしてくれ」

 警戒もそう長くは続かない。

 襲撃された直後は、恐ろしさに警戒を強くするが。

 時間とともにそれを忘れ、いつも通りになっていく。

 それまで待てば、簡単にいく。

 なのだが。



「いや、出来るだけ早くやってくれ」

 朽木は無茶を言う。

「出来るだけ早く潰しておきたい。

 残しておくと面倒だ」

 そう言って、要望を却下する。



「分かったよ」

 それならしょうがないとヒロキは頷く。

「必要なものを揃えてくれ。

 それが出来たらやる」

「分かった」

 頷くしかない。



「報酬には色をつける。

 いつもの分に加えて、外から持ってきた新作映像もつける」

「割にあわねえよ」

 ありがたいが、そんなものでは割にあわない。

「もっといいものを持ってきてくれ」

「はいはい」



 頷いた朽木を見て、ヒロキはその場をあとにする。

 やれやれ、と肩をすくめながら。

「面倒だな……」

 これから警戒してる連中のところに殴り込みにいかねばならない。

 その大変さをおもうと気分が重くなる。

 だが、やらないわけにはいかない。

 これも稼ぎの為である。



 見送る朽木もため息を吐く。

 正直に言えば、今すぐに襲撃をする必要は無い。

 ヒロキの言うとおり、敵は警戒している。

 そんな連中を相手にするのは難しい。



 ならば、それよりも少し時間をおいた方が良い。

 それくらいは朽木も分かってる。

 だが、分かっていても、あえてヒロキに突入させた。



「これをこなしてくれないと」

 確かに警戒してる敵を相手にするのは厳しい。

 しかし、それでも有象無象の集まりだ。

 それを片付ける位の能力をもってもらいたい。



 ヒロキには様々な事を教えてきてる。

 もうかなり出来るようになってるとも聞く。

 ならば、多少の無茶や無理をこなせるようになってもらいたい。

 でなければ、投資してきた意味がない。

「がんばってくれよ」

 無責任に言いながら結果を待つ。



「さて……」

 どうしたものかと考えながら歩く。

 要求された襲撃はどうにかこなすにしても。

「一人じゃ無理だな」

 それが分かるくらいにヒロキも経験を積んできた。



 事前の情報からある程度の事は分かる。

 今度の相手は手強い。

 今までの連中とは違う。

 人数も装備も優れている。

 そんな所に一人で行っても死ぬだけだ。



 なので、何人かつれていく事にする。

 朽木もすぐにやれとは言っただけだ。

 一人でやれとは言ってない。

 ならば、使える人間を集めて事を起こせば良い。



 その人選は既に終わってる。

 思いつく顔がいくつかある。

 それらに声をかけるために、ヒロキは足を動かしていく。




<注意>

 現実の群馬県、およびその関係する諸々と本作は一切関係はない。



 続きは気が向いたときに

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