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恋愛物がどうしても書きたくなったので書いてみた。
後悔はしていない。
「わ、私も竹中君のこと、好きです!」
目の前の少女が、真っ赤になりながらも声を張り上げた。一瞬の沈黙の後、混沌に突き落とされた教室。クラスメイト達は、大騒ぎしていた。
が、一番混乱していたのは、誰あろう、俺、竹中心吾だった。
「そうだよね、木山さんは彼氏いるだろうし、…え?」
ダメだよねぇあははっ、と繋いで、中学校生活最後のネタにしたかった俺は、予想外の回答に固まった。え?彼氏いたんじゃなかったっけ?そう、高校に入ってから聞いたような記憶があったんだが。
どうしてこんな展開になっているのか、というと…。
俺、竹中心吾は、特に特徴の無い、どこにでもいるような普通の男だ。職業はサラリーマン、30年ローンで買ったマンションと可愛い娘がちょっとした自慢の、どこにでもいるような父親でもある。
酒もタバコもやらないし、賭け事もしない、車も持っていないので、貯金もそこそこあった。要は、華やかなことも無ければ、人生にコレといった不満も無く、穏やかに過ごしていた。平凡を絵に描いたような男であった。妻とは恋愛結婚だったから、まあ華やかなことも一時期はあったのかな?別に豪邸に住んでるわけでもなければ、高級車を乗り回している訳でもなく、暇さえあれば旅行にパーティーとかやってるようなこともない。本当に、自分で言うのも何だが、普通のサラリーマンである。
だから、別に自分の人生をやり直したいと思ったことなど、無かったのだが。
何故か俺は、気が付くと時を遡り、小学生に戻っていた。何故?これは夢?とも思ったが、どうやら違うらしかった。だって、寝て起きてもそのままだったら、もう夢じゃないだろう。俺はまあ、夢だろうと夢じゃ無かろうと、特にやることは変わらなかったが。
俺は、状況を受け入れて小学生を演じた。俺には、小学生の頃の記憶は殆ど無かったから、逆に新鮮で面白かった。中身が大人なので当り前だが、勉強などしなくても成績は良かったので、思う存分遊んだ。一度目、と言うのが正しいのかは分からんが、前の人生では、結果的には失敗したが、中学受験の勉強に明け暮れた小学生時代だったらしいのだ、覚えていないが。
細かい違いはあったのだろうが、俺の二度目の人生は、一度目の人生を順調にトレースしていった。親の仕事の都合で引っ越したのも一緒。そして、転校していった先で、俺は再び彼女に出会った。
多分10話くらいでネタが尽きそう(え)
というか、10行も進んでないのにいきなり主人公の名前間違えてたよ(ぉぃ)