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2父と指輪

二話目更新しました!感想いただけると嬉しいです1

 家を旅立って4日。気がつくと目の前には大きな壁があった。

 どうやら父のいるヨトムについたらしい。

 ヨトムは人口2万人程度の町で、王都から離れているものの黒龍のダンジョンをはじめとするいくつかのダンジョンから近いため、年中冒険者であふれている。

 僕自身、父が働いているヨトムに来るのは初めてだ。なんだか緊張してきた・・・

 

「少年!」


 ヨトムに入ろうとしたところで声をかけられた。どうやらここの傭兵らしい。

あからさまにどこに行くか迷っている僕をみかねたのかこっちに近づいてきた。


「ヨトムには何しにきたんだ?」

「えっと、ここで働く父に会いに。」

「君の父親はどこで働いているんだ?」

「魔道具を作る研究所にいるはずなんだけど、わかる?」

「ああ!それならここから見えるあの大きな建物がそうだよ!」


そう行って指をさされた方を見ると大きな建物が見えた。

まるで城だな・・・


「ありがとう!行って見るよ!」

「おう!」


 傭兵の人柄がとても良くて安心した。この様子なら街の治安もいいのだろう。

 

 少し歩き研究所に着くと父ユキトが走ってこっちに寄って来る。


「アラァァァァン!元気にしてたか!よくここに寄ってくれたな!」

 

 ものすごい勢いで抱きついて来るのを、修行で身につけた体さばきででサッっと避けた。

 ズザァーーー

 ユキトはそのまま地面に衝突した。


「なんで避けるんだよ・・・」

「もう子供じゃないんだから抱きつくのはやめてくれ!!」

「はい・・」


 少し悲しそうにしているが、成人してまで人前で抱きつかれるのはちょっと厳しいものがある。

 なにはともあれ元気そうでよかった。

「それはそうとアランに渡すものがあるんだ」


 父に連れられ研究所の中に入って行く。

 研究室に着くと厳重に締められた箱から取り出し、渡してきた。


「これを」

 

 そう言うと黒い石がはめ込まれた指輪を渡された。


「これは?」

「黒龍の魔石の一部をはめ込んである。はめてみろ」


 右の人差し指にはめる。


「そのまま指輪に魔力を注いでみろ」


 言われたままにやって見る・・・・

 ズズズッ・・・!?

 目の前に真っ黒い空間ができると同時に、頭の中にものすごい数のアイテムの種類と数が流れて来る。

 

「これは!?!?」

「異空間収納の魔道具だよ。中には俺からのプレゼントが入ってる。自由に使ってくれ」

「異空間収納の魔道具って貴重なんじゃ?」

「確かに貴重だが、そいつはもっとすごい。一般的に出回ってるものはこいつを元に作ったレプリカさ!つまりこの指輪は世界に一つしかないオリジナルで性能レプリカとは比べ物にならないんだ!」

 !?!?まじかよ・・・・

「そんなもの、どうして僕にこんな貴重なものを??」

「もうその石の研究は終わったし、そもそも異空間収納を作ったのは俺だ!だからそいつをどうするかは俺の自由だ!」


 !!!

 異空間収納を作ったって、もう何があっても驚かないつもりでいたんだが。

 もしかして父さんって結構すごい人?・・・・

 

「ちなみにその指輪はアレンにしか使えないようにしてあるし、外すには指輪を壊すしかないから」


 もうつけてくしかないじゃん・・・・ただでさえ貴重な異空間収納だ、人前で使うのは避けよう。


「わかった、ありがたくもらうよ」

 

 本当なら持ってるだけで厄介ごとに巻き込まれそうなものだから持ちたくなかったが・・・仕方ない。


「アラン。ヨトムから王都まではどうやっていくつもりだ?」

「行商人に乗せてもらおうと思ってる!まだ見つけてはいないけど」

「なら俺の知り合いの行商人が、王都までの護衛をさがしていてな、アラン。やってみないか?」


 悪くない話だ、行商人の馬車に乗せてもらうと少なからずお金を払わなければならない、だが護衛としてならばむしろ依頼料がもらえる。


「父さん、やるよ!」

「よし!護衛の話は俺が通しておく、出発は2日後だ!」

「ありがとう父さん!」


 こんなに早く王都行きの馬車が見つかるとは、思っても見ないラッキーだ。

 護衛に必要な武器などを揃えようと思ったがすでに指輪の中に入っていた。

 とりあえず今日は寝よう驚きすぎて疲れた・・・・

 父に紹介してもらった宿屋で眠りについた。


 

 朝起きると宿屋の一階からいい匂いがした。朝食ができているようだ

 テーブルが足りないのか案内されたところには先客がいた。

 フードを被っているが、獣人の女の子らしい。

 腰には短剣を携えている。


「一緒してもいいかな?」

 

 聞いてみるがうなずくだけで話はしない。

 何回か会話を試みるがうなずくだけで会話にならない、

 人見知りなのかな・・・

 

「僕はアレン!君は?」


 思い切って名前を聞いて見た。


「・・・ノア」


 小さい声で答えてくれた。

 唯一、名前だけは知ることができたと喜んでいたら、いつの間にか彼女は姿を消していた。

 彼女も冒険者なのだろうか。


 朝食の後はいよいよ指輪の能力について実験だ!

 まず容量の限界だが・・・

 正直全く底が見えなかった、手当たり次第突っ込んでみたがまだまだ入りそうだ。

 手当理次第に突っ込んで行くうちに、生きてるいるものは入れられないことがわかった。

 

 次に空間内の時間だが、どうやら止まっているらしい。

 温かいものは暖かいまま、冷たいものはそのまま冷たい。・・めっちゃ便利!


 父さんは指輪に武器だけでなく、食料や魔石、お金まで入れてくれていた。

 ありがとう父さん・・・

 


 日は変わりヨトムを出る日が来た。

 いよいよ出発だ。


 約束の10時に街の入り口に行くと、父ともう一人立っていた。

 少し小柄で小太り、眼鏡をかけている。この人が行商人なようだ。


「きたか、アレン」

「アレンです。宜しくお願いします」

「君がアレンくんか!私はロッジ見ての通り行商人だ。宜しく頼むよ。では早速行こうか!」

「行ってきます」

「おう!」

 父にしばしの別れを告げ馬車の荷台に乗り込む。

 いよいよ出発だ。

是非評価の方も宜しくお願いします!

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