職業:剣死
俺の名はマキア。
突然だが、俺の世界では魔法より剣の方が主流となっている。
なぜかというと、剣は魔法を切れる。魔法は詠唱が必要でその間に距離を詰めて術者を殺せる、と言うことがあるからだ。そのため、剣の方が有利となっているのだ。
別に剣じゃなくてもいいだろって?
確かに斧とかでもいいさ。
けどな。
魔剣・聖剣ってのがあるんだ。
魔法は完全に使わないわけじゃない。
剣士の補助のためにあるようなものと考えられている。
しかし、魔剣・聖剣は無詠唱で魔法を使用できる。
数は限られているがな。
そうしたことで神から与えられるジョブで人気なのが剣神、だ。
次が剣聖
その次に、魔剣士、聖剣士みたいな感じだ。
勇者?数年前にさらに下の剣豪に負けてるレベルよ
魔王?勇者と同等だ。
てなわけで剣士系ジョブは人気なのである。
別口で治癒士も人気はあるけどな。
まあ、そっちは女が多いな。
一番不人気なのは魔法使いだ。
付与士、ならまだ救いがある。
魔法使いはもはや手品師と同列である。
そして、俺は今、神殿にいる。
14歳になったとき、ジョブを神殿でもらうのだ。
自分では選べないがな。
「はい、出ました。どうぞ。」
「ありがとうございます。」
ジョブは神から与えられる。
通知は神官が祈ることによって封筒で送られてくる。
自分以外には開くことのできない封筒だ。
なかにはジョブプレートが入っている。
さて、結果は…。
name:マキア(14)
level:1
job:剣死
HP:100/100
MP:20/20
ATK:20
MATK:20
DEF:30
MDEF:30
ASPD:300
CSPD:300
COMMON SKILL
武器無効化LvMAX
SKILL
全属性魔法
身体強化Lv1
自己修復Lv1
体術Lv1
…は?
一般ステータスより低い上に武器に触れることができない…?
嘘だろ…。
しかも魔法使い系かよ…。
体術あるだけましか…。
冒険者ギルドへ行くと結果を聞かれる。
そして、爆笑される。
…畜生…っ
そうして薬草採取の日々が始まり3日目。
「おい坊主、有り金全部おいて行きなっ」
「ま、どのみち死ぬんだがな!」
まさかの盗賊。
「置いていきなとか言いつつ後ろからバッサリ切るつもりでしょwww」
「おおっとばれちまったかwww」
「さすが兄貴っ!人が悪い!」
「誉めんじゃねぇよw」
「坊主、運が悪かったなぁ、兄貴は剣豪のジョブもちなんだ、つまりお前がこれまでさ!」
あ、終わった。
「じゃあな!」
そうして盗賊が剣を振り下ろした瞬間。
パキンッ!
「「「は?」」」
俺に触れる直前、剣が折れた。
そこで俺ははっと気づいた。
武器を装備できないんじゃない…!
武器に触れれないんだ…!
無理矢理近付けられることによって能力によって折られたんだ…!
そうした瞬間、なぜ体術、全魔法だったかが理解できた。
このジョブ、魔法以外寄せ付けないものだったんだ…!
「な、なんなんだてめぇは!」
「ただの、冒険者だよ!」
こうして俺の冒険は始まった。