運命
あるとき世界が切り替わった。そう現実から幻へと。だがそこであってはならないことがおきた。現実にも幻にもいるはずのない女の子が生まれたのだ。理由なんかはない。ほんとうに偶然だった。これは「俺の考えはあたらない」の世界でおきたもう一つの物語。
今日は俺の高校デビューの日だ。つまりー入学式!ここに来るためにめっちゃ勉強したからな。俺のことをしってるやつがいないところに来るために。と俺は学校に向けて意気揚々と歩いていた。すると俺よりも前に女の子があるいているのがみえた。それも俺の高校と同じ制服だ。
「あ、あの…俺と同じ入学生?」
「……………………」
返事がない。えっ…いきなり無視された!?傷つく!と思ったが無視したわけではないようだ。俺の方を向いて?的な顔をしてる。!!!てか、可愛すぎんだろ!こっちをみたからわかったんだが、うん…まぁ…可愛い…じゃなくて!
「だ、だからさ俺と同じ制服だよね、それ?」
「……………うん、同じ……」
声もかわいいーーーー!!!じゃねぇつってんだろ!
「名前なんて言うの?」
「名前………よくわかんない…」
「え?名前だよ名前、あるでしょ?」
「……わからないよ…」
今の反応を見てる限り彼女が嘘をついているようには思えなかった。でも名前がないなんてそんなことあるはずがない。
「じゃあなんでこんな所にいたの?」
「わからない」
「それも?」
「うん」
これは記憶喪失かなんかなのだろうか。
「とにかくここにいてもなにもわからないから学校にいこう」
「……うん」
俺はこの子の手を握り学校まで一緒にいった。学校についたのは登校時間ギリギリだった。とりあえず職員室にいってみよう。
「失礼しまーす…あの新入生なんですけどすいませーん。この子って俺と同じで新入生でいいんですよね?」
「この子?名前はなんて言うの?」
「えーとそれなんですが…!」
そこで俺の言葉はとめられた。彼女の手が俺を引っ張ったからだ。
「ど、どうしたの?」
「あ、あなたの名前はなんて…いうの…?」
「俺?そう言えばいってなかったっけ、俺は鍵谷修だよ」
「かぎや…しゅう…」
「そう」
「私の名前は鍵谷幻」
「え??」
先生と俺の声が重なった。
「あ、ああ。君の名前ね。ちょっとまっててね」
そう言って先生は確認をしにいってしまった。
「お、おい鍵谷幻ってそれが君の名前なのか?鍵谷って俺と同じじゃねぇか。てかさっきはわからないって…」
「そう。だって…」
幻が何か言いかけた時先生が戻ってきた。なぜか怒ったような感じで。
「君!鍵谷修君でいいんだよね!先生をからかうんじゃないよ!」
「はぁ…?」
何を言ってるんだこの人は。だが俺は次の一言で凍りついた。
「彼女は…………君と一緒に入学してきた双子の妹じゃないか!」
「へ?」
「え、えぇぇぇぇーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!?」




