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2話 母

あれ?おかしい。今回でゲームに入るはずなんですけど?

すいません入れませんでした。今回は少しまじめな部分もあります。

それではどうぞ!!

「これでよしっと!」


 昨日美咲にWWOを熱く語られた蒼海は、美咲からもらったブレインの設定をしていた。昨日のレクチャーを頭の中で反復させて確認を取りながら行ったが、案外早くに終わったようだ。


「意外と簡単だったな。えっとサービス開始は・・・午後の1時か。今はまだ朝だし余裕があるな。」


 WWOのサービス開始は午後1時から。それまでの時間どうするかを蒼海は頭の中で組み立てていた。ちなみに今の時刻は午前7時。普段あまり親がいないこの家では、1日交替制で兄妹がご飯を作っている。今日は兄蒼海が担当だ。


「確か、キャラメイクは今からでもできるんだったなぁ。」


 WWOでは開始と同時にスタートダッシュしたい人のために今日の0時からキャラメイクは始めることができる。蒼海はあまり掲示板などを見ないので知らないが、今ネットがお祭り状態になってたりもする。ちなみにβテスターは基本データを引き継げないようになっている。βの特典を引継ぎ用アイテムにした人は例外だが。


「まあ、焦ってもなんもないしなぁ。のんびり行こうか。さて朝食を作りますか。」


 蒼海はキッチンへ行き、『トンットンットンッ』とリズよい音を鳴らし始めた。


 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 朝食を終えた蒼海は少し広めな中庭に来ていた。その手には木製の()()()()()木の棒を持っている。今の蒼海は誰が見ても武芸の達人と思うようなそんな風格を纏っている。


「フッ、ハッ、シュッ」


 振り上げ、振り払い、突き。動作一つ一つがとても洗練されており、美しく力強いものだった。得物が振るわれる度に蒼海の口から短い息が吐き出される。


「フーッ・・・・こんなものか。まだまだだな。見守ってくれている母さんに顔むけできない。」


 蒼海は額に浮かぶ大粒の汗をぬぐいながら亡き母のことを思う。病気と闘いながらも最後の最後まで笑顔を絶やさなかった母を蒼海は誇りに思っていた。


「そんなことないですよ。兄さん。今の兄さんは誰が見ても立派だと思いますよ。」

「美咲ちゃんありがと。」


 どうやら蒼海が中庭で鍛錬する様子を美咲は見ていたようで、白いタオルを蒼海に差し出す。蒼海は美咲に感謝しつつタオルを受け取った。


「兄さん風呂は沸かしてありますよ。あと今日の昼食はパスタがいいです。」

「ははっ。わかったよ。あとお風呂ありがとう。」

「どういたしまして。」


 本当に美咲はよくできた子だと蒼海は思う。まあ、しっかりと自分の好物をねだってくるあたりが可愛らしくもあるのだが。美咲や今の母さんを見ていると父さんは本当にいい人を見つけたな蒼海は思っていた。話によると父さんが妻がなくなってショックで落ち込んでいた時励ましてくれたのが今の母さんだったようだ。


「さて、早いとこ風呂に入ってカルボナーラにしようかな。」

「では私は準備して待ってます。」

「たのんだ。」


 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 早めの昼食を済ませ、しばらくの間美咲とWWO話で盛り上がっていた蒼海はいま自分の部屋でパソコンとにらめっこをしていた。


「掲示板は便利って言われたけど・・・・・わからん!!すごい量のやり取りが書いてあるけど、いまいちピンとこないな。」


 美咲のアドバイスを参考にネットで掲示板を見ようとする蒼海だが、膨大な量に目を回し始める。どうやら蒼海にとって慣れない掲示板は見ても意味がないらしい。


「まぁいいか。絶対見ないといけないわけじゃないし。ヒントなしでやる方が面白いだろう。」


 蒼海は早々に諦めて窓を開け涼しい風が入るようにしたらブレインをはめベットで寝ころんだ。頭の中で再び美咲のレクチャーを反復させて確認をとる。


「よしっ!確認は済んだ始めようかな。掲示板を見れなかったのはあれだが美咲が言ってた不遇?だっけ?なんてものはよく考えて選べばそうそうなることないよな。」


 蒼海はこれから始まるWWOが楽しみで仕方ないらしい。


「いざ!はじめてのVRMMOへ!!」


 そうして蒼海は盛大なフラグを立ててゲームの世界へ旅立つのであった。


読んでいただき本当にありがとうございました。ご指摘・ご感想をお待ちしております。

次話もよろしくお願いします。

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