1話 妹からの頼み事
ブックマークが気づいたら5件越え!?とてもうれしいです!!いいんでしょうか?
ようやく本編を始めることができました。登場人物たちの会話は書いていてとても楽しいです。しかし、自分の国語力が低くいんじゃないかと思いました。はぁー
さて、本編が始まります!
「ただいまぁ~」
「兄さん!お帰りなさい!!」
終業式の最後の試練、校長の長話を乗り越え、暑い中帰ってきた平凡な容姿の少年鳳 蒼海が帰宅を告げると、セミロングの黒髪がとても綺麗で大きな瞳が可愛らしい美少女が、満面の笑みで出迎える。彼女は鳳 美咲。蒼海の義理の妹である。どうやら中学校は高校よりも終わるのが早いようだ。
「何かいいことでもあったのか美咲ちゃん?」
「はい!・・・それでですね・・あの・・」
いつもより声が弾んでいるように感じ取った蒼海は、美咲に理由を尋ねる。蒼海が尋ねたことに対し、元気に肯定するが、なぜかもじもじした様子で口ごもる美咲。蒼海は美咲がこうなるときはどういった時か知っている。
「(なにか俺に頼みごとがあるんだな。)」
美咲は基本、蒼海に対してあまり頼みごとをしない。それは蒼海が自分のわがままで不自由しないか心配だからだ。しかし、どうしても頼みたいことがあるとき、いつもなかなか切り出せずにいる。その蒼海はもっと頼ってほしいと思っていているのだが。
「遠慮せず言っていいよ。迷惑なんて思わないから。」
「え!?・じゃ、じゃあ・・私と一緒にWWOやってくれませんか?」
蒼海が自分の気持ちを伝えると、自分が頼みごとをすることに気づかれていたことに驚きながら、自分の願いを伝える美咲。その願い事を聞いていた蒼海は困った表情を浮かべる。
「WWOかぁ・・」
[Wonderful World Online]通称[WWO]。
「もう一つの素晴らしい世界」のコンセプトとともに開発されたこのVRMMOは、多種多様な種族・スキル・ジョブがあり、今までにはなかった圧倒的自由度を誇る、ビックタイトル。前々からネットで騒がれており、最近のβテストによりさらに注目されているゲームである。
蒼海は別にゲームが嫌いなわけではない。VRMMOに関してはやりたいと思っていたくらいだ。では何が問題かというと―
「(金がねぇ!!)」
そうお金がないのだ。[WWO]はソフト自体が高めで、さらにこのゲームをするためのVR機[ブレイン]が高い。いや、めっちゃ高い。ほとんどの人はもう既にVR機を持っているのだが、蒼海はこのWWOでVRに興味を持ったのでまだ持っていなかった。
「・・・ご迷惑でしたか?」
「いや!違うよ!!やりたいと思ってたし、誘ってくれてうれしかったよ!・ただ・・・お金が・・。」
少し涙目になりながら聞いてくる美咲に慌てて否定し、力なく説明する蒼海。恐る恐る顔をあげてみると
「なんだ、そういうことだったんですね。」
美咲は花が咲いたように笑顔を見せていた。
「へ?」
「兄さんは何も買う必要ないですよ。」
「え?どういうこと?」
「ありますよ全部。必要なもの。」
「はい?」
「私のβ特典で。」
蒼海が間抜けな声を出すと、美咲は自分がβテスターでその特典を[WWO開始セット]にしたことをサラッとなんでもないように伝える。
「美咲ちゃんβテスターだったのか?」
「言ってませんでしたか?」
「うん。言ってない。あ!あれか!あのめっちゃはしゃいでたやつ。」
「そっそれは忘れてください!!」
蒼海は大喜びしてはしゃいでいた美咲を思い出し、美咲がβテスターだということに納得する。美咲は、はしゃいでいた自分が恥ずかしいのか、顔を真っ赤にして怒っている。
「あれは可愛かったなぁ。」
「ッ!?う~・・兄さんはいじわるです。」
「ごめんごめん。で、その特典は俺がもらっていいんだな。」
「はぁ~・・いいですよ。そのための特典ですから。」
怒っている美咲にさらなる追い打ちをかける蒼海。美咲は顔がさらに赤く染まるのを感じながら小さくつぶやく。美咲がオーバーヒートしている中、蒼海は何でもない様子で尋ねる。そのことに美咲は呆れた様子で答える。
「(自覚ないんですかねぇ。)」
「ん?どうした?悩み事か?」
「・・・何でもないです。」
「なぜにジト目?」
「自分の心に聞いてください。」
「え?分かった。(俺悪いことしたっけ?)」
「(分かってないなこれ。)」
まったくもって分かっていない蒼海に美咲はさらに呆れる。美咲は蒼海の人間関係(特に女性)が大丈夫か不安になる。
「まったく、もういいです。サービス開始に向けて色々教えますね。」
「お、おう。頼む。」
少し不機嫌な美咲に対し頭に?マークを浮かべる蒼海。それから蒼海は美咲から丁寧にわかりやすくレクチャーしてもらい、明日から始まるWWOを楽しみにしてこの日を終えた。
読んでいただいて本当にありがとうございます。ご指摘・ご感想お待ちしております。
次話も頑張りたいと思いますのでまた読んでいただければ嬉しいです。これからの蒼海の活躍とやらかしをお楽しみに~。