表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/16

二章 第六話 俺の学園ライフが異世界転移で終わるまで

前回の第五話はかなりみじかめになってしまってすいませんでした。




突然だが、俺達は異世界に召喚された。これには俺に原因があるような気がしてならないが、状況把握が最初だ。地形的には森と平原の境のところで、周辺には俺達以外の人間、否、生物の気配がない。ひとまず安全とみていいだろう。生徒達の様子をみると、全員が放心状態といったところだろうか。ただ、俺の予想が外れていないのなら、ここに一人、いるのには不自然な人物がいる。俺の予想は外れなかった。

「どうだ真魔。久しぶりの故郷は」

「やっぱり、か。サリア。説明願いたいんだが」

「ならお前の過去の話を生徒にしてやったらどうだ。そっちのほうが後々楽だぞ」

「先生、どういうことですか?」

伊藤が皆の意見を代弁する。こいつには将来有望のリーダーシップがある。実に羨ましい。割と本当に……。

「……仕方ねー、か。ちょっと長いぞ」

俺は恐らく、生涯、これから誰にも話そうと思わなかった自分の過去を話し始めた。



「俺の親父はこの世界の住民じゃなかった。親父は人類の切り札にするためこの世界に召喚された。初めは親父も疑問無く仕事として殺しの仕事をしていたそうだ。その仕事……いや、殺しの時に親父は母さんとであった。

母さんは悪魔だった。この世界には人間の人類種、悪魔や魔物の魔種、そして魔物と人間のハーフ亜種。あと例外の天使種。亜種を除いた種は純血と呼ばれる。

やつらは極端に亜種を嫌がり殺している。んで俺ら亜種は縮こまって世界を生きぬいてきたわけだ。俺みたいな悪魔と人のハーフはあまりいないらしい。

俺みたいな奴は種族目名『人魔』と呼ばれるらしい。

お前らも人魚くらいは知っているよな、あいつらも亜種だ。まあもう人間の傘下に入ってるみたいだけど。

まあこれでなんとなく俺の立場がわかったと思う。そこで、だ。俺と櫻は血縁ではない。つまるとこ本物の兄妹じゃない。」

生徒達からの反応は、

「うん。なんとなくわかるっしょ。」

牧野の声に皆が頷く。正直ここまででいいのだが牧野にそんなことが判るわけが無い。

「だって櫻と先生さっぱり似てないし。性格も全く違うし、何より顔」

生徒一同のリアクションが先程よりかなり大きい気がした。気だといいなぁ……。

「よ、よしわかった。だが櫻は悪魔と人の子だ。お前は初めて聞いたろうがな。お父さんが悪魔、お母さんが人間。お母さんはこの世界の住民じゃなかった。最初は接点なんかなかったんだがな。俺と櫻の接点はお互いに人魔で、親を殺されたことだ。さっきも言ったが俺達のような奴は珍しい。

だから魔種、正確には魔王軍に狙われちまった。俺達の親はわかった上で俺達を守り死んだ。最初は双方の悪魔のほうの親だ。お互いに同じ様な関係にあった俺達の人間の方の親は一緒になり、俺達を逃がそうとした。


……そんな矢先、二人は殺された。俺達を守るために、な……。

その後、保護者役になってくれたのがサリア……いや春野河智慧だったわけだ。ちなみに本名はサリア・セルフォート、人を超えた存在、『魔女』様だ。年はえーと……」

「真魔、黙れ」

まさに蛇に睨まれたかえる状態だ。すげー怖えーよどうしましょう……。良い子の皆も女性の年齢を追求するのはやめよう。怖い目にあうよ~……。

「私が悪魔と人の子?お母さんとお父さんは交通事故で亡くなったんじゃないの?何のことなの?意味わかんないよ。お母さん?お父さん?誰なのそれ?一体なんだっていうのよ………!」

櫻は完璧に混乱状態だった。無理もない。俺も同じ立場ならあれ以上に酷い事になってしまうのが容易に想像できる。だが無理をしてでも受け止めてもらわなければならないい。

「おい、櫻……」

「うるさい!話しかけないで!」

「人の話最後まで聞けよ!」

 俺はかなり大きな声で叫んだ。パニック症状に在る者の処置はこれが一番早くていい。俺のあまりの形相に櫻も口を閉じる。無論ほかの生徒も、だ。

「お前が今まで忘れてたのはあのときのショックと『メモリアルスリープ』の魔術の効果だ。お前はあの時、まだ五歳だった。無理もない。」

記憶催眠とは闇系統魔術の一種で、記憶を消さず寝かせる魔術のことだ。

「なら、なんでお兄ちゃんは忘れてないの?」

「俺が忘れないことを望んだからだ。」

「え……?」

残念ながら今はその櫻の疑問に答えることはできない。

「それで櫻はサリアがお前のお母さんの妹、つまり叔母さんに向こうの世界でお前を預けた。だから向こうの世界でこの世界のことに感慮できたのはおまえの叔母さんだけだ。」

「でも、どうやって……」

「おいおい、こいつが誰か忘れたか?現在、この世界ですら最強の存在、魔女様だぞ。多分さっき俺達が連れてこられたときのこと覚えてるか?あれと同じことを一人でやったんだろうな。無論こいつにしかできないが」

「じゃあお兄ちゃんはどうやって生きてきたの?」

「亜種の国最大の学校『国立亜人魔導専門学校』を卒業したあと、『軍』に入った。」

櫻は疑問の色を濃くして聞いてくる。先程の混乱した面影はない。必死に心の中に押さえ込んでいるのだろう。大した者だ。

「なんで向こうの世界に来れたの?」

「はぁー。あまりいい思い出じゃないんだがな。仕方ないか。俺は軍の命令で人類種の偵察に来ていた。そしたら俺の前で何人かの亜人たちが奴隷として働かされ、殴られ蹴られまた殴られ、その日は人間のストレス発散のためだけに子供が拷問を受けていた。俺には耐えられなかった。そこにいる奴等まとめて殺した。亜人たちは倒れちまったけど、俺はそいつらより先にこの国のお偉いさんをぶっ潰してやろうと思った。最初は良かったんだけどな。あいつにだけは勝てなかった。ヘンシング・レーデルにだけはな。まあ一瞬過ぎて何が起こったかわからなかったけど明らかにこいつは格上だと思った。そのあとの記憶がなくて、次の記憶はさっきの召喚魔法と似た奴の生け贄されたことだな。生け贄は普通は死ぬ。でも俺は例外で生き残ったみたいなんだよ。そんな俺を追ってきたのがサリアってわけだ。」

俺はありのままを語った。次の説明はサリアに任せてしまおう。正直なことを言うと俺は地盤で言っていて耐えられそうにない。目配りをすると、サリアが次に入ってくれる。

「とまあそういうことだ生徒諸君。真魔の例外のケースはあいつが特別な混血、というところがかかわっているのだろう。詳細はまだわかってない。それと君達がこの世界に呼び出された理由は今のところわからない。私のほうで調べてみるが期待はしないでくれ。ただ君達は現状向こうの世界に帰れない」

生徒達にざわめき、というよりか怒号の声や理解できないと繰り返すもの、あるいは受け入れた者など混乱状態になっているようだ。無理も無い。

それをサリアは聞こえないかのように次の質問に入る。

「ここは亜人と人間の領土の境目のところにある。お前らには現時点で二つの選択肢がある。」

「つまりどちらに着きたいかということ、ですよね?」

伊藤は察しがいい。それに早々と現状を受け入れたようだ。俺としては人間側に着いて欲しい。櫻も一緒に入れるなら入って欲しい。それにこいつ等は櫻の正体を知っても軽蔑しなかった。こいつ等となら大丈夫だろう。

「みんなはどう思っているのかな?」

伊藤が皆に意見を聞く。

………しばらくの沈黙。

そのなかで牧野が口を割る。

「それって人間側のほうがいいんでしょ?」

そのとうりだ。そのほうが良いに決まっている。だが、思いもよらぬ生徒から意見が出る。

「でも先生と櫻ちゃんと対立するのは嫌かな」

和田だった。恐らく本音が口を割った、ということなのだろう。現に下を向いて震えている。こういうときは触れないのが一番だ。それに、率直に嬉しかった面もある。生徒相手に、と思いつつも他の生徒の意見に耳を傾ける。

「確かに嫌かも」

これは加藤。

「我もそう思うでござる」

これは小林。言ってくれてることは嬉しいがうざったらいな、こいつ。

それを気にいろいろな方から同じような声が上がる。正直に嬉しいが、やはり人間側について欲しい。

「でもお前らは人間側に着いたほうがいい。そっちの方が生きていける可能性がかなり高い。」

「そんなの面白くもなんともねーじゃん」

これまた意外なことに東野だ。こいつにはなにかしらの作戦があるのかもしれない、そんなことを思わせるような物言いだった。東野が続ける。

「俺はつまらないことが嫌いなんだ。先生なら分かると思うけどさ。だから俺は亜人側につくぜ。」

今の俺にはこいつの言いたいことが嫌というほどに理解できてしまう。まるで昔の自分を見ているようだ。こいつの思考パターンも俺に似ている。だからこそこいつを俺のいる『闇』に落とす訳にはいかない。

「お前の言いたことはすげー分かるがそれとこれは別問題だ。これには生と死がかかってる。お前の思うほど単調なゲームじゃねーんだよ」

「いや先生、これはゲームだ。三種族の陣取り合戦、圧倒的不利な亜人達を他二種族に勝たせるゲーム。こんなに面白そうで燃えるゲームはそうそうない。それに自分の生と死がかかってるならなおさら面白いぜ。」

なんでこいつはこんなに俺に似てんのかな。考えてることが俺と全く変わらない。ここまで決意、いややる気がある奴の腰を曲げるのは無理だ。過去の俺のように………。

「あーもう好きにしてくれ………。」

ここで一息つき、生徒達を見ながらもう一言、一番大切なことをいう。

「ただし、後悔すんなよ?」

「先生、人は後悔し続ける生き物ですよ。」

伊藤の言った事に皆が決意を固めた笑みを零す。

「はは、そうだな。なら着いて来い。ここにはお前らの逃げてきたものはない。面白くなりそうだぜ」

そして俺は歩き出す。新たな場所へ新たな『仲間』達と。

「真魔、いい生徒を持ったな」

サリアが耳元で囁く。

「ああ。」

俺の短い返答でサリアは満足したようだった。

ここから世界で最も新しい魔導神書が始った


次の投稿もよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ