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小さな迷子

作者: 宇梶 純生

陽射し輝く

暖かな木漏れ日


花の咲き乱れた花畑



朝露を残した

雑草の隅で


小さな虫が泣いている




蜜蜂や蝶が飛んできて


「何を泣いてるの?」


「一緒に遊びましょう」




小さな虫の手を取って

花の隙間を掻い潜り

飛び回って遊ぶ



葉の滑り台を滑り

花の蜜を吸い

雨の雫を舞い上げて




夕刻になり陽も暮れ始め

真っ赤な太陽が夕日に変わる頃



蜜蜂も蝶も

棲家へと帰ってゆく



「もう泣いちゃダメよ」



残された 小さな虫

刻々と闇が訪れる花畑



泣く事も許されない

迷子になり



夜行性の虫達が

眼を光らせ



餌食になる

選択をした



結局 それだけの事



小さな虫は

蟻地獄の棲家で

いつ喰われるか

怯えながら



出られなくなった




誰も 助けられや

しないよ



自分から

逃げない限り



誰もが 自分の身を守る




腹を空かせた蟻地獄が



小さな虫を喰い

生き延びるなら




僕の命をあげよう




~END~


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