#25 疾走!ワールドランナーズ!!⑮『どさくさレースエンド』
すっかり廃墟と化した街の大通りを
すっかり忘れ去られた主役が駆ける
「一年間も、放ったかされた上にオイシイとこ持ってかれるってどういう事や!?」
「いや、そういうメタ発言で我なられても、俺は知らんって!?」
世界を駆ける筈だった『ワールドランナー』も
謎の襲撃によるアクシデントで混乱していた
今や、レースに参加している者が居るのかどうかも判らないこの状況で
ただひたむきに駆け続けている彼等
「にしても、ずいぶん殺風景になったな・・・」
人気の感じられない街中には炎の燻ぶりと乾いた風だけが彼らを迎えていた
「コレはチャンスやで!」
駆けるロードランナーの首を引き寄せて叫ぶ
「今のうちに、ぶっちぎりでゴールインや!!」
「くわぁぁぁあ~っ」
「ちょっ!?落ちる!落ちるって!?」
無人の道を駆ける彼女たちを背景に
何とか事態を収束させたギルドの精鋭たちが疑問を議論する
「結局、こいつらは何者だったんだ・・・?」
「異質なモノを感じるのは確かですが、何とも言えませんな」
採取した魔石を光にかざしながら応えるのは年季の入ったヒゲを携えた人物
「もしや、禁忌を犯した者達と関係が有るのやもしれませぬな」
「・・・・・引き続き彼等に監視を依頼すべきか・・・・・」
一方、街の大広場にて―
「さて、我々も撤収するとするか・・・」
「最早、この祭りも意味を成すまい」
「今年の優勝者は『無し』か・・・」
名残惜しそうに街の通りを見つめる
「・・・ん?」
「どうした?」
何やら騒がしい気配が近づいてくる
「この勝利こそ我々『鋼鉄騎士団』のもの!」
「何をぬかすか!?この『紅連の風』のものに決まっていようが!!」
まさかの参加者の帰還に、一同の眼が丸くなる
「ど・・・どうするよ!?」
既に、ほとんどの人員は撤収している
「と、取り敢えず確認だけはするしかないだろ!」
言い訳なんぞ後でいくらでも考えるさ
お互い接戦の中、突き進む重厚な騎馬―
ぶつかり合いながら火花を散らし地面を震わせる
「待ち!待ち!待ちぃやぁぁぁああ~!!」
建物の上から叫びと共に接戦に加わる者が居た
三者三様
生き残ったのは『鋼鉄騎士団』『紅蓮の風』そして
流れ者の『トレジャーバンディッツ』
自らの存在を誇示しながら
自らの意地を示す
『ココで目立って置かないと次はない』
「「「勝つのは俺達だぁぁああ~!!」」」
ほぼ同一線のままゴールへと迫る
瞬間、轟音と共に地面が突き抜けるように爆裂する
それに吹き飛ばされて行く三者の中から現れたのは怪しげな鉄塊
「これぞ、科学の勝利だ~!」
「ドサクサ紛れって言うんじゃないんですかコレって?」
ちゃっかりと地面を潜行して
運良く出たのがゴール地点
優勝者『Dr.T』
こうしてこの混乱に満ちた祭事は幕を下ろしたのであった
納得出来るか出来ないかは別として、だが・・・




