表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
トレジャーバンディッツ  作者: TAMA-RUN
16/28

#16 疾走!ワールドランナーズ!!⑥『うらかたダークネス』

「さて、お前達の実力みせてもらおうか?」

言いながら、その手に怪しげな火が灯る


その火はやがて、人の形となって地面に降り立った


「その基礎となった試作品モデル模造品イミテーションどちらが優れているのかを、な」

視線の先に居るのは、緑石エメラルドの輝きを放つ青年『クリン』


氷刃時雨ブリザードレイン!!」

口にしたのは、魔術を込めた詠唱言霊マジックワード

天に輝く魔法陣から、おびただしい数の氷の刃が『ネア』たちに降り注ぐ


地面に激突した際に、巻き上がる爆風が一気に視界を奪っていく


「おやおや・・・あっけないものだな」

物足りないといった表情かおで、つぶやく


森の暗闇から姿を現したのは、漆黒のフードを目深に被った人物

そのは、フードの陰に隠れてよくは見えないが


そこから溢れ出る光は、緑石エメラルドの輝き


「不意打ちとはまた、随分とみみっちいやり方ね?」

爆風が吹き抜けて、そこに現れたのは宝石のように煌く金髪をなびかせて

仁王立ちするネア


「やっと、現れたわね!?」

不敵に微笑みながら、手にした杖を天にかざす


「魔法ってのは、こう使うのよ!!」

くるくると杖が回転し、そこに魔法陣が浮かび広がっていく


爆装束縛フレアバインド!!」

魔法陣から無数の炎の蛇が現れ、フードの人物に絡みついていく


「おやおや・・・あっけないものね」

同じセリフをつぶやく


「じゃ、ゆっくりと聴かせてもらいましょうか・・・?」

腰をくねらせながら、屈強な男『サムソン』がフードの人物ににじり寄る


「その、宝石ジュエルどこで手に入れたの!?」

わずかに怒りがこもる声で、尋問する


「答えると思うか・・・?」

口元が、わずかに歪む


「思いませんねぇ」

覗き込むようにクリンが言う

柔らかな口調と裏腹に、手にした短剣を眼前に突き付ける


「ならば『殺す』か・・・?」

動じることなく言い放つ


「そんなことするだけ無駄、でしょ?」

クリンの手を下げさせる


「しかし、お前達を道連れにできるなら無駄でもないな」

「!!?」


瞬間、閃光が広がっていく

閃光に晒されて見えたその顔は、見慣れた顔だった


「な、何が起きたんだ~っ!?」

上空に浮かぶ気球から、アナウンサーが叫ぶ


まもなく、陽も落ちようとしていた空の端で

夜の闇に割り込むように広がる閃光


閃光が闇に溶ける頃、そこにあったはずの風景もり

ただの荒野へと変わっていた


「おやおや、あっけないものだな・・・」

暗闇の空に浮き、またも同じセリフをつぶやいていたのは

緑石エメラルドの瞳を持つ青年と同じ顔を持っていた




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ