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人助けとは個性か?

4月18日PM5時頃。


都内の中心地のコンビニだ。中心地にしては珍しくコンビニの敷地内に駐車場ある。そのコンビニで優斗の声が響く。


「いらっしゃいませー。」


コンビニでよく聞く声だ。店員はまた来てもらえるようにと感情を込めて言っている。お客さんからは毎回言われる訳だから、気に止めてる人は少ないだろう。接客業は難しい。


優斗はバイトを始めて1ヶ月にも満たない。仕事をまだ覚えきれていないが、接客業の基本をマスターしているように、優斗のレジの前にはお客様が並んでいた。


基本の挨拶は勿論、財布にお札を入れるときに焦らせないよう工夫し、何より笑顔がお客様の心を掴んでいる。


(この時間帯はいつも込むなぁ。

10時まで頑張るか…)


優斗のシフトはPM1時からPM10時までと忙しい時間帯である。やる気出そうとしたところ不意に横から、


「お疲れさまでーす。」


威勢のいい高い声が聞こえた方を見ると、コンビニの制服に着替えた女子高生が立っている。

いつもニコニコしている。名前は生瀬由香(ナマセユカ)だ。


今は高校2年生で、このコンビニでバイトを始めたのは1年の時かららしい。俺の研修を担当してくれた先輩だ。先輩だが俺の方が年上なので、お互い気を使って会話がぎこちなくなっている。


「少し休憩取りませんか?」


「お気遣いありがとうございます。自分は大丈夫です。」


「…」


「…」


年上ではあるし、仕事に馴れるためにも断ったが、生瀬さんは先輩だから、いいところを見せたくて言ったんだろう。


空気は重くなったが、仕事に支障はなく勤務時間が終わった。深夜の方に引き継ぎ休憩室に戻った。


休憩室は広い。ロッカーがあり、長机と8脚も椅子がある。休憩室は2階にあるにありスタッフ専用のお手洗い、男女別の更衣室もある。中心地としてはこれも珍しい。


生瀬さんは高校生で、勉強もしなくてはならないらしく、いつも素早く着替えて

「お疲れさまでした。」


と一礼して帰る。

生瀬さんは子供のように可愛い顔で小柄である。胸も子供みたいに可愛いサイズである……

誰に対しても優しく接していて、お客様には勿論、男女で明らかに接し方の変わり、ボディータッチするセクハラギリギリの店長にも… 優しい。


そうなると当然彼氏もいるだろう。高校生になってすぐバイトを始めたらしい、彼氏と遊ぶのもお金が必要だろう…


(休憩室にいてもやることがないし途方もないことを考えてもしょうがないのでやめよう。明日は休みだ。帰ろう。)


それから10分後帰路に着いた。


この辺りは、都会だけあって夜も明るい。いや、夜の方が明るい。周り見回していると、スーツを着たお兄さんや、派手な化粧をしたお姉さんが店に客を呼ぼうと頑張っている。

先の道でもホスト風の男に話しかけられ困った顔の女の子もいる。


「?」


見覚えのある顔だった。近くに行ってよく見ると、生瀬さんだった。よほど強引な相手なのか、顔が引いている。

相手はホスト風の男だ。普通の人ならあまり関わりたくないと思うであろう。ましてや、助ける相手はバイト先が一緒ってだけの女子高生。


だが、優斗は違った。


「彼女困ってますよ。」


会話を裂くように割って入った。


「俺はその子と話してるんだけど」


「話しているように見えなかったですけど」

一方的に詰め寄ってるようにしか見えなかった。


「ありがとうございます。」


生瀬さんは、俺が会話を裂いて、生き返ったかのような大きい声に一礼して走って去って行った。ひとまず安心したが、そうなると相手は大激怒だ。本人は気分よく話していただろうから。


「てめぇ、何してくれてんだよ。」


「困った子を助けただけですよ。」


「何だよ、その言い草は、裏行って話ししようや。」

「いやです。」


助けて用がすんだので、冷静に対応した。


これから先のことはだいたい予想がつく、話しをするにしても、お茶を出してもらって話しをする展開にはならないであろう。


そうなると、用は済んだので帰るため回れ右をしたが…



「信悟さん、コイツ連れていきましょうか?」



仲間が2人いる。帰してくれないようだ。

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