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ころころ

作者: ギシェ

初投稿ですのでよろしくお願いします。


少しの表現がありますので、R15を入れました。流血沙汰などありません。

やった。

やっと手に入れた。


男はそう思った。自分の身体の下にいるやや小柄な女性。

先ほどまでの情事の後のせいかまだ息が荒い。

彼は、長い間想いを寄せ続けた。

本当に長い間。


彼女の亜麻色のまっすぐ腰まで届く髪は、手入れが行き届いているのかさらさらでとても手触りがいい。

少し日焼けして、触れると滑らかで弾力性のある吸い付くような肌。

ややシャープな顔の輪郭に、意思の強い瞳と整えられた髪と同じ色の眉。やや大きめな桜色の唇とこぢんまりとした鼻。

パーツ一つ一つを見るとアンバランスなのだが、一つ一つが配置良く並んでいる為、見た目もかなり美しい。


身体だってそうだ。

吸い付くような肌もそうだが、男の手の平に丁度納まるような小ぶりな胸に少女から大人の女性に移り変わる境のなだらかな腰は、抱いたばかりだというのに見てるだけで男の情欲をそそる。


ただ、実は年齢的には少女・・・と呼ぶには、少々どころかかなりとうが経っているのだが、男はそんなものどうでも良かった。


ただ。

ただ、己の手に入れたかったのだ。


長年の・・・・・想いが昇華する・・・・。

二度と手を放さない。どんなことをしても。



「もう、二度と手を放さないよ、ここで生活して貰おうか。いるものは全部僕が用意するから」

「いいわよ」

「へ?」

「だからいいわよと言ってるの」

淡々と少女は言葉を紡ぐ。

それこそ拍子抜けするように。


さらに言葉を紡ぐ。


「じゃ、最初にいるものを用意して貰いましょうか」

「通信以外のものなら」

男の言葉をスルーして少女は紡ぐ。

「じゃ、まず用意して貰うのは毛糸のパンツと毛糸の腹巻と正露○」

「へ?」

男が想像とはしていないものが、可愛い口から放たれる。

そして、言葉の内容が男の脳髄に浸透し理解した時に呆然と、少女の言葉を繰り返す。

「けいとの・・・・ぱんつ・・・・と、はら・・・・まき?」

「そう。それと正○丸」


現在八月半ば。

外気温36度。室内は26度に保たれている。。。。。が、普通に服を着ていれば過ごせる気温である。

さらに、先ほどまで情交していたためやや暑いと思うのだが。


「何故に?」

と問うと頬に痛みが走り、体が吹っ飛んだ。

文字通り。

いや、それよりも少女の体は同じ位置から微動だにしない。姿勢も同じ、上半身は裸体で膝の上に肘を乗せて気怠そうな表情をしているのは、先ほどまでの情交のせいだろうか。腰の辺りからシーツに埋もれてはいる。

なのに、男の体だけ吹っ飛んだ。

男は自分の身に何があったのか理解できなかった。


「何故?じゃないでしょう?私の虚弱な腹具合をナメるな」

虚弱体質というのは良く聞くが、虚弱な腹具合というのを男は初めて聞いた。


 彼女曰く。

非常に腹を壊しやすいのだそうだ。

しかも。

服を脱いで熱い湯船に一時間以上入らなければ、真夏の常温でも腹を下すというのだ。

冗談ではなく。

少女が真夏でも厚めのジーンズのパンツを穿いている理由が、なんとなく分かった気がした。

そして、毛糸のパンツと腹巻を愛用してることも。

今日は、デートの後のことも考えて、気兼ねして着用してこなかったという。

そして・・・・男の耳にもはっきりと届く、ぐるぐると鳴る腹の音。

「トイレドコ」

凶悪な表情で、少女はベッドへと戻ってきた男の肩を掴んで激しくシェイクする。

このまま激しくシェイクされ続ければ、リバースするのは目に見えている。

男がやっとの思いでトイレの場所を指差すと、少女は男を突き飛ばしてトイレへダッシュして滑り込んだ。

男は少女がトイレに篭ってる間に、ダッシュで用意する○露丸と水。

毛糸のパンツと腹巻は、多分、直ぐ手に入る。気温は真夏だが、8月の半ば頃だから、店にはそろそろ秋物が入荷してる筈だ。近日中に届けて貰うようにしなければ。

その前に。


本当はずっと裸体で過ごして貰おうと考えていたが、この調子では一緒にいることすら儘ならないかもしれない。

裸体なんかで過ごすことになったら、一生トイレの中で過ごすかもしれない、彼女ならそうする。

確信がもててしまうくらい、付き合いは長い。彼女の腹具合は知らなかったし、他の女性よりも本当に付き合いは長い。

そう考えて、男は女性物の下着、肌着、上に長袖のシャツと厚手のジーンズを用意する。

サイズは前もって知っていたので気にすることはない。

先程抱いたがサイズは全然変わっていなかった。

自分は下半身のみ下着とスラックスを穿く。

当面は、これで凌げるはずだが。

少女を手に入れるためとはいえ、もう少し彼女の生活のことを調べるべきであった。


トイレから戻った少女に、ぬるま湯で正○丸を飲ませ服を提供する。

人心地ついた少女からさらに毛布を要求された。

毛糸のパンツと腹巻が即用意出来ない以上、毛布で腹付近を巻き下半身を暖めなければならないというのだ。

もう一度言うが、外気温は36度。室内温度は26度、だ。

用意した服は一般基準で秋装備な筈だがそれではダメなのだという。冷房を切ろうかと提案すれば、暑いといわれる。。。。。なんてワガママな。

しかし、男はすぐさまにそれを叶えた。



「じゃ、今後のことを話し合いましょうか」

口蓋を切ったのは少女だった。

少女が手に入るのなら何でもかなえるつもりだった。

しかし。

「あなたは最終的にどうしたいわけ?」

「結婚して欲しい」

「いいわよ」

即答された。

あっけないほどに。

あれほど悩んでいたのが嘘のように。

何故?と問えば的確な答えが返ってくる。

「あなたとの付き合いも長いし、うちの家と釣り合う家柄だし、生活には困らなさそう。

まあ、どの道もし困っても私の私財でどうにでもなるし」

「へ?」

「あ、あと通信以外ならって言っていたけど、今何時?」

男の疑問をスルーして少女は時間を問う。

「え?もう直ぐ22時ごろだと思うが」

「あら、まだ大丈夫ね。一応忠告ね。24時までに私からの連絡が家族にない場合、ここのビルに30分以内に一個師団隊が取り囲むから」

「へ?」

「当たり前じゃない。世界有数の財閥の跡取りの連絡が途絶えたら、そうなるわよ。誘拐じゃないかって思うのが当然。私の体には、ちゃんとGPS付いてるわよ」

「は?」

「え?やだ。調べはついてる筈でしょ?私の母の旧姓は確かに日本の財閥の一つ桜井だけど。。。。」

彼女の告げた彼女自身の正式な身分は、世界有数の財閥の娘だった。

目が飛び出るほど驚いた男に、少女はこともなげに告げる。

「調べ切れなかったのは、それだけうちの情報部が優秀だったってことね~。情報を操作したのよ~。

あの子達に臨時ボーナス出しておかなきゃね~。

あ、因みにあなたが私を見つけたんじゃなくて、私があなたを見つけたの。10歳の時にあなたを見初めて以来、ありとあらゆる手段を用いていろいろ画策させていただいたわ。母の実家の身分につりあえば、必然的にうちの親族共を黙らせることも出来るからね~。

あなた自身も優秀だし。楽しみだわ~」


開いた口が塞がらないというのはこういうことを言うのだ。今少女は何を言った?

騙された・・・・・のか?


「怒った?」

鈴の音の様なころころと澄んだ声色。同時に差し指を顎に当て、ことりと首をかしげ潤んだ瞳で男を見上げた。

少女に惚れこんでいる男にとって、クるものがある。

少女のセリフを忘れるほどに。


「ごめんなさいね。私どうしてもあなたが好きで、他の人に取られたくなかったの」

にっこりと微笑んで続けて言われた言葉に、完全に少女の不審なセリフは男の脳裏からぶっ飛んだ。

もう、綺麗さっぱりと。

というか、現実逃避したに過ぎない。

一介の女性が男欲しさに己の経歴を偽り、さらに男が少女から離れないように画策したというのに。

少女の好きという言葉と、他の人間に取られたくないという独占欲(?)ありまくる言葉に浮かれまくる。

通常ならあっさりと掌で転がるような男ではないのだが、なんというか。少女に対する独占欲と、少女を自分のものに出来たという事実が男の脳髄を狂わせていた。

それはもう、とことん。

バカになるように。

うん。

男の脳髄に木霊する言葉は、「あなたが好き」「他の人に取られなくなかったの」のこの二言に限る。

それこそ鼻血を噴射してもいいほどに。

そう、女の掌でどれだけころころと転がされても。




そして、その後。

男は、3ヶ月もしないうちに少女と結婚することになる。

彼女の右腕兼夫として片時も離れず。

さらに。

少女追尾装置、追跡装置などを小型化にすることに成功。

後、とんでもない事件に巻き込まれ少女とともに乗り切り、その界隈では有名になったのは・・・・・男のヤンデレ具合のなせる業である。





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