寂れた神社の巫女さんのきさらちゃん
ここは四国の愛媛県松山市。愛媛は古来より九州と中国地方からよく人が出入りして町としては賑やかな町が多かった。
戦国期は河野水軍で有名な戦国大名河野家が活躍したが九州の大友家や中国地方の毛利家の侵攻があり勢力を維持し辛いところもあり町の発展もなかなか出来なかったが平和な江戸時代を経て、現代では九州と中国地方の人々が行き通う素晴らしい街並みになっている。
そんな四国でも栄えた町である松山市のあるマンションの一室で巫女装束の女の子が1人居た。
少女は真っ昼間なのに不気味な部屋で大麻を持っていた。
大麻とは巫女さんが持っている白木の棒に麻や布帛をつけたものも指す。
極道や半グレが手を出している方の薬物の大麻では無いのでご注意を。
そして、その少女は大麻を持って適当に振って静かに部屋を出た。
そして部屋から出てしばらくすると大きなため息を吐く。
「はぁ〜。怖かった・・・。いつも見ているけど自殺があったばかりの部屋、幽霊はめちゃくちゃ不気味だ・・・。何だか気持ち悪いし」
少女が行ったのは除霊である。さっき大麻を軽く振ってあの部屋に居た幽霊を除霊したのである。
少女はいわゆる「見える人」である。
幼少期から幽霊がハッキリと見えるほど霊感が強く、また幽霊を除霊する能力があった為、両親の勧めで小学生の時から除霊の仕事を承る事にしたのである。
そして少女はマンションのオーナーの元へ行き報告をする。
「とりあえずお祓いはしました。まだ薄気味悪い雰囲気がありますが2日、3日経てば雰囲気も良くなります」
少女の報告を聞くとオーナーであるお婆さんはニッコリ笑顔で少女に封筒を渡す。
「きさらちゃん、いつもありがとうね。これ今回の報酬ね。」
少女・・・名を宇都宮きさらという。
きさらは丁寧に封筒を受け取り、軽く頭を下げて「じゃあ私はこれで」と言って部屋を出る。
部屋を出たきさらは封筒の中身を少し見てみたら・・・。
「ひぃふぅみぃ・・・。10万!?こ、こんなに!?」
きさらは封筒の中を見て驚いた。今回の依頼主はいつも事故物件の除霊の依頼をしてくれるお婆さんなのだが、いつもの報酬より遥かに多い金額が入っており、きさらは開いた口が塞がらない。
除霊の相場の金額はきさら自身よく知らないがマンション一室の事故物件のお祓い、除霊なら2万から3万で貰っている。それが今回10万も入っていた。
「う、うーん。こんなに貰って悪い気がするけど返すのも悪い気がするし・・・」
きさらは真面目。貰い過ぎたら相手に悪いと思ってしまう。
しかしきさらの家は貧乏。散財癖の両親は出稼ぎに行っており、家にお金を入れることは滅多にない。
それ故にきさらは仕方なく10万を生活費にしようと心に決めたのであった。




