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プロローグ【勇者でもないのに魔王を倒してしまいました】
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プロローグ【勇者でもないのに魔王を倒してしまいました】
濃緑色のローブに身を包んだ少女が傍で見守る中、青年は石畳のような平らな地面に手を当てて、魔力を込めた。
青年の掌がぼんやり光ると、そこを中心に大地に幾筋ものひび割れが入り
ブシャー!!
「熱っ!!」
「うわぁ!!噴水だー!!」
温泉が噴き出した。
「レン兄、どう?」
「うん、死んでるね」
温水は数分間噴き出し続けて止まり、青年…レン兄と呼ばれた男…と少女、2人の周りには水浸しになった地面に巨大な石が散乱していた。
そして、常人の3倍ほどの身長に、明らかに人間ではない異形の顔をした、一体の溺死体があった。
巨大な黒いローブに包まれたソレは
「魔王…倒しちゃったね、レン兄」
「……うん、僕ら勇者でもないのにね」
魔王だった。
物語は、ここではない別の世界から始まる。
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