出合い
俺、西野 祐太は高校2年生。
部活はサッカー部で、趣味はサッカー。俺の人生は今までサッカー尽くしだった。
そんな俺の思考を変えたのが、そう。
無感情少女『有松 夢乃』の登場だった。
高校1年生の時から気になり始め、そのまま恋に発展してしまった。いや…俺でもビックリだよ。
彼女は“無感情”である。端的に言えば、喜びや悲しみ、怒りや楽しみ、勿論恋心でさえ分からない、超絶無感情だ。
どれか1つは入っててくれてもいいのに…。とは思ったりもしてしまう。
そして俺は告白をすることに決めた。
「好きです、夢乃さん。付き合ってくれませんか」
普通の有感情少女なら「キャッ、うれぴ!」って感じだろう。(告る人にもよるが…)
だがこの少女、無感情なのだ。何度もいう。無感情なのだ。
告白されたときの反応をお答えしよう。
正に、「無」!!むしろ悲しくなるぐらいに無反応だった。
しかも何も言わない。でもほんの少し首を傾げた。新しい発見ができた…。なんだか新鮮でこれはこれで楽しい。
「えっと…今の心境は…」
と感情のない少女に問う。夢乃さんはゆっくりと口を開いた。
「どうと言われましても、私には感情が有りません。更に告白なんて初めてです。もっとよく分からなくなりました」
デスヨネー。
仕方無い…これが世の中だ。意を決して…!
「夢乃さん!!」
俺は大きな声で叫んだ。(だがそれにも無反応)
そして夢乃さんの手を取る。
「俺が…君に感情を教える!!それで恋心が分かったら…付き合ってくれる?」
って言ってもわかんないんだろうなぁ…。
「もし…恋心がわかった暁には付き合ってあげましょう」
え。
この日から、俺と夢乃さんの物語が始まった。