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第4話 やっとついた!

一応、この話で区切りがつくはずです。

「あっ」


 一行が再び歩き始めて三時間後、永護が何かを思い出したような声をだした


「どうしたの?」

「いや、ほらこいつらもスキルの指定をしておいたらいいんじゃないかなーって」

「あぁ、すっかり忘れてた」


 ユキと真央がスキル指定?と首を傾げたがユキが何かを言うと納得したように頷く真央


「何だ知ってんのか。まぁいいや『指定』っと」

「「おぉぉ!」」


 永護が最適環境を2人にもかけるとユキと真央は驚きの声を上げる


「ねぇ、何をそんなに驚いてるの?」

「いやだって、なぁ?」

「うん、なんて言うの?魔力の質が違うというか」

「後は気温とか湿度も結構違うねーなんて言うの?」

「『快適環境』だな。それにしてもそうか、気づかなかったな」

「まぁこっち来てからずっと使ってるからね」

「楽だけど僕のは解除してくれない?」

「あー私も」

「理由は?」

「「人生ダメになりそう」」


 この2人ならあり得るかと永護が頷き解除すると、凛が私のはどうする?と聞いてくる


「りっちゃんのはどんなやつなの?」

「あー凛のは魔力の受け渡しとか、能力上昇とか、凛が指定した人のスキルを1つ使えるようになるんだけど」

「裏切れなくなる」

「ちなみに裏切ったら?」

「激痛がはしる」


 その一言にユキと真央は互いに顔を合わせユキが恐る恐ると言った感じで質問した


「そのスキル名って?」

「……『魔王の証明』かな?」

「んーまぁいっか、ユイはどうする?」

「私も大丈夫だよ」

「あっ、それってスキルの数とか種類とか選べるのか?」

「えっと今は1つだけかな、種類は選べるよ」

「んじゃ僕は『透明化』で頼む。」

「なら私は『真実の目』が一番いいかな」

「わかった。『指定』はい完了したよ」


 そこからユキと真央はスキルの説明した

 透明化は呼んで字のごとく透明になるスキルで、

 真実の目は隠されたものを有形無形関係なく見ぬくスキルだ

 つまり、永護の改竄等も見ぬくことができるというわけだ


「じゃぁ私達もするね」

「そうするか」

「「『指定』」」

「んじゃ、私から説明するね、私のスキルは『念話』だよ」

 ――こんな風に指定した対象と頭のなかで会話できるの――

「へぇ、便利だな、これは」

「だよね。んで、俺のスキルはこれだよ『虚空間』」


 ユキがスキル名を言うとユキの目の前にちょうど人が入れるサイズの闇が広がった


「ほら、いくよー」


 躊躇いもなく入っていったユキと真央だが続いて入ってこない2人にユキが闇から顔だけだして、安全だから早くおいで、と促す

 永護と凛は覚悟を振り絞って闇へと進むと一瞬だけ暗くて何も見えなかったが、直ぐに眩しい光を当てられ思わず目を閉じた


「ここは?」

「ここが、虚空間だよ。僕の魔力によって部屋数や大きさ、設備が増えて今は3部屋かな?」


 広さ的には6ぐらいの部屋だろうか、キッチンと机、イスがあり休憩するには十分な広さがある


「へぇ、便利だね。他の部屋はどうなってるの?」

「1つは時間が止まっている場所、つまりアイテムボックスと同じ空間になっているところと、トイレかな」


「かなり便利じゃんか」


 永護が率直な感想を言うとユキは微妙な顔をした


「それはそうなんだけど、これかなり魔力を消費するんだ」

「そうなのか?」

「うん。入る人数や部屋の数、設備によって変わるんだけど、今のままだと1時間ぐらいが限界かな。まぁトイレの時ぐらいは言ってね」

「そうだな、長居もできないようだしさっさと出るか」



 永護の言葉にユキは頷き、全員に出るように促した





 一行は再び歩きようやく目的地であるイルビに到着した

 門の前に衛兵が立っておりおそらく関所的な役割を果たしているのだろう

 人はそんなにいないためすぐ俺たちの番が回ってきたために、旅に出るときにもらった俺たちを召喚した国――マーメルの身分保証書を見せることで何事も無く入ることができた




「結構賑やかだな」

「そうね、みんな楽しそう」

 イルビは傭兵の国とあってか武具店等が多いがその分活気が溢れて、同年代らしき人も沢山いる


「「ひとごみやだ」」


 ……2名ほど早くも人酔いしていたが


「こっからどうするかな」

「まずは宿を探してその後に仕事を探さないとね」

「「休みたい」」

「あーわかったから。とりあえず宿に行くか」





 宿を探すこと約30分、回った5つの宿が満室で途方に暮れて歩いていた時、先程まで死人のようだったユキが元気よく路地裏に入っていった


「ちょっ、ヒロ!?」


 ルーの時と同じように突然と走りだしたユキ。前回と違うところは姿を見ることができ、後を追うことができたことだ

 追いついた先にあったのはただの扉

 その扉は、周りにあるような家と同じような扉であり不思議なところはどこにもなかった

 扉の前に立つユキは大きく深呼吸をしてその扉を開けた


「すんませーん、4名空いてますか-?」

「ユッキー!?」


 慌ててユキに跳びかかり引き戻そうとする真央に抵抗するユキ

 そんな2人に大きな影が被さった


「嬢ちゃん、いきなり人の家になんのようだ」


 大きな影、この家の宿主であろう人物は平均よりも少し大きい永護よりも大きく、おそらく2メートル近くはあるだろう

 そんな大男が威圧感満載でユキを睨みつける


「えっと、4人空いてますか?部屋」

「嬢ちゃん、何を言っているのか分からんがさっさと出て行け」


 大男はユキを追いだそうとユキに近づき真央が逃げ永護が助けようと前に出る

 しかし、ユキは大男に詰め寄られようが構うことなく言葉を紡ぐ


「もう疲れてるんで早く答えてください、4人が泊まれる部屋が空いているなら泊まりたいんです。|宿屋に泊まりに来て何が悪いんですか《・・・・・・・》」

「……っち、んで嬢ちゃん、どこでこの場所を聞いた?」


 大男はユキの前まで近づくと大きく舌打ちし、しゃがんでユキに目線を合わせて問いただす


「誰にも聞いてないよ。ただスキルに引っかかっただけ」

「っち、まぁそれならいいか。4人部屋か、ちょっと待ってろ」


 大男はまたも舌打ちをすると奥の部屋へと向かった

 それを確認した一同は大きく安堵しユキを見た

 みんなの目線に気付いたユキはVサインをした




「ほらよ、一日30タリアだ。場所はこの部屋をくぐった2番目の部屋だ。いいか?個々の場所は他言無用だ」

「はーい」


 タリアとはこの世界のお金の共通単位だ

 マーメル国から貰ったのが4人合わせて6000タリアで残りは5500タリア。食事等を考えてもまだ少し余裕がある

 ユキは鍵をもらうと早速部屋へと向かった




「「おぉ」」


 部屋にはいるとそこは先程まで薄暗い裏道にいたことが嘘に思えるほど綺麗な場所だった

 何があるのかと見てみると、トイレやお風呂まであり、ベッドは1人に1つというなんとも豪華な場所だった

 このような場所が30タリアで本当に良いのかと思うが、そんなことは気にしまいと各々ベッドに飛び込む


 慣れない旅で疲れたのだろうか

 1人また1人と睡魔に襲われていき、全員が目を覚ましたのは翌日の早朝であった





次からは各々のスキルや職業、ステータスがわかります。

この話で一応終わり、次の話からは新章となります。

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