ざまー見ろ
2作品目です、まぁ気長に更新を待ってください
見てくれるならですが…
現在、何故か俺は毎日命懸けの死闘を繰り返してる。
事の始まりは五年前に遡る
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どこだここは?俺は訓練所にいたはずだが。
ここは…
周りを見渡すと…壁しかなかった。それと隅々に小さな蝋燭が何十本かたっているだけ、それだけの殺風景な部屋。
て言うか部屋?ドアも窓も無いから部屋としての意味がなくないか?
壁には小さな穴が何個かあるから息は出来るものの天井、床、壁、全部が鉄で出来てる。これじゃあまるで監禁部屋だ…
『お前が実験に耐えきった子供か…』
突然、何もない場所から人が現れた。
は?子供?俺はキッツい大人なんだが?自分から見ればお前ごとき子供同然ってことなんか?えらそーな男だな……って!?俺の身体!ちっちゃくなってる!明らかに子供だ、しかも…これ3歳位じゃないか!?
いや、それよりもあいつどっから入ってきた?入るとこなんか一切ねぇぞ!つか、実験!?……だめだぁ、ツッコミどころ多すぎる
『…おい。聞いているのか』
し、しまった!ツッコミに気を取られて大事な情報を聞き漏らした!
くそぅ、<敵に捕まったら情報を最優先に集めろ>俺がSATで習った事だ。
次は聞き漏らさない用に真っ直ぐ目の前の男を見る。
その姿は、怪しい人です!みたいな感じで全身が黒で覆われていた。
黒のコート、黒の仮面、黒のマフラー、黒のシャツ、黒の…
お前はコ○ンの犯人か!まさか、俺に薬を盛ったんじゃ…それで俺こんな身体に…!?
『聞いてるようだな。…そう言えばまだ名前が無いらしいな?…これからはお前をダーインスレイブと呼ぶ。それでは、お前のこれからについて話していくが、お前はここから出られない俺が命令しない限りな。お前には今日から毎日戦闘してもらう…いろんな物となそれでお前の能力を強化する。』
ふ、ふざけんじゃねぇ!俺にはちゃんとコユキって名前があるし。何より!物を見るような目が許せねぇ!!お前らなんか警察に捕まっちまえ!
声に出して言いたかったが、喋る事が出来なかった。
まだ、子供だから?
『これくらいは貸してやる。せいぜい死ぬな、次が面倒だからな。』
俺に護身用のナイフを投げ渡してそういい残すと同時に男はその場から消えていなくなった、一瞬で。
な、なんだよ今の。手品なのか?いや、それにしちゃ消える瞬間が全部見えたぞ?ハッキリと。
『ガァァアアア!』
つか、また何か出てきたぞ?子供?いや、あれもしかして。小説とか文献とかで見るゴブリンか?それにしか見えない。全身が緑色でとがった耳、この世の生物には見えない。ここは地球じゃないのか?宇宙人って可能性も…いや、そっちのが納得できるな…
まぁ、そんなことは良い、一旦忘れよう。
あの化け物ナイフ持ってる!?しかも、向かってきてねぇか?こっちに…ヤバい!
そう感じた途端、地面にカランと転がってたナイフを手に取り構える。
重い…子供の体なんだからそう思うのは当たり前か?いやでも…ずいぶん馴染んだ感触だな。体が変わっても技術は失ってねぇ、これなら行けるか?
ゴブリンがナイフで胴体を狙い…突く!当たれば死ぬ一撃だ、それを僅かに左後方に下がり避ける。
次の攻撃も、その次の攻撃もゴブリンの動きが単調なのもあるが全て問題なく避ける。
そして焦れたゴブリンがナイフで横に薙ぐ、それを屈んで相手の懐に入りながら避けると確信した。
俺の技は死んでねぇ!
狙いをゴブリンの喉に定めると薙いだ後の隙に立ち上がりながら勢いをつけ深く刺す、俺のナイフは肉を掻き分け骨に到達したときやっと勢いは止まった
ブシュュュュ!!!
勢いよく地が飛び出て俺にかかる、着てた服が真っ赤に染まったが気にしない。それより…
やっぱり…慣れねぇなこの感覚。人もそうだが何かを殺すってのは心が沈む。それが俺の仕事だったんだがな
てか、食事はどうすんの……?
食事は1日三回、部屋の隅っこに出てきた。
あの男のように。
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二年後
俺はまだここから出られていない、警察はここに来ないし、何よりここは地球でもない。前に盗賊の集団を殺した時、一人に尋問して聞きたいことを全て答えてもらった。
ガラプール王国の中にあるマステアと呼ばれる辺境の地域、ここはそこの国王が秘密裏に作った実験室らしい。実験と言うのは後から説明するとして。この盗賊連中は何人か魔法らしきものを発動しているのが確認出来た。今では俺も使える、殺した奴らからやり方は教えて貰ったし、わからないことがあれば次に魔法を使える奴が来るのを待てば良かった。
そんで今使える魔法は補助系統の魔法、アイテムボックス、テレポートの二つ、それに加えて属性魔法のいくつか。暇な時に練習してる。戦闘ではあまり使う場面が無いが…
何故か?…それは簡単に言うともっと強力な力が使えるからだ。
それは、実験の話しと繋がるのだが…俺に行われた実験、それはオリジナルの魔剣の因子を体に埋め込み魔剣に秘められた力を人間に使わせるそれが実験の内容。それは無事成功したのだが今は最初に言われた通り能力の強化に当たっている。それによりダーインスレイブの能力(秘められた力)をいくつか使えるようになった。全身に黒い甲冑を纏う<魔剣甲冑>、武器をいくつか出現させる<魔具作成>、魔剣の妖気を物質化させて操る<魔剣妖気>、体の一部を魔剣に変える<剣身一体>、魔剣の僕を何体か召喚し従わせる<魔剣従者>、使えんのはこれだけだな。他にもいっぱいあるらしいが未知数すぎる力で使い方が分からん。
以上の大まかな点と俺がここに来た時の年を考えると前世の訓練中に何かがあって死んで、ここに転生してきたと仮定している。てかそれ以外考えられねー。
まぁ、二年での大きな変化って言えばこのくらいかな。
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そして、今に至る…と言う事だ。
能力の成長は全く無いが使える魔法かま少し増えた、それに体が成長したな。子供の時最も吸収が多い時に実践的な訓練?(しかも命懸けの)を続けていたせいか前世のコユキの体よりSATで鍛え上げた技術が冴えてる。
そろそろ自力で出れるんじゃねぇか?とか考え始めていた俺にある幸運が降りかかった。
今日、襲いかかってきた盗賊の中に『どこかしらワープ玉』を隠し持ってる奴がいた…ので、奪ってやった。
まぁ、あの名前は俺が勝手につけた名前なんだが…効力はその場から十キロ以上離れた場所にランダムにワープさせるらしい。これは持ってる奴から聞いた。…名前は聞きそびれたが
俺はこれを男がまた目の前に現れた時に使おうと思ってる。男が消えた瞬間の隙を狙って。使う!
魔法を使うには呪文を唱えなきゃなんないんだが、あの男はこの部屋から消える時確実にテレポートか、もしくはその魔法の上位であるワープを使っている。そんで試しに男が消える直前耳を澄まして聞いてみたら小さくワープと聞こえた、これで移動系統の魔法だと確信出来た
それと言うのもワープやテレポートにはある弱点が潜んでいるそれは…また発動させるには十秒の間待つ必要がある。
あの玉(どこかしらワープ玉)の効力が何秒くらいで発揮されるのか分からん、何しろぶっつけ本番だからな…
それから一週間
目の前に例の男が現れた。
それを見た瞬間俺の心臓が跳ねた、だがまだだ…落ち着け、気を静めろ。こんなチャンスを逃がすな!
自分自身にそう言いつけて興奮した心を静めようしたが目の前の男がそれを許さなかった。
「実験は今日で最後だ。」
「さ、いご?」
最後!?終わりの無い永遠の実験を繰り返されるのかと思ったら終わりがあんのか?
「そうだ、仕上げの実験を最後にやってもらう。これで晴れて自由の身だ。俺の目の前でこいつを殺せ!」
男はいつの間に手にもっていたのか分からないが袋から3歳くらいの年をした女の子を床に放り投げると、「殺せ」と言いはなった。しかも殺すまで離れないと…
殺せるわけがない!三歳の女の子だぞその年で言えば俺がこの世界に来た時の年とおんなじ。
つかこれは何の実験だよ!?仕上げってなんの!?…いや、仕上げ?
…もともと能力の強化の実験をするだけだったら強い魔物、と戦わせればいい話、それが最近は人間ばかり仕掛けてくるようになった。そいつらが強いかと言われれば今まで闘った魔物よりも断然弱い。
じゃあ、何が目的なんだ?ってか、俺が前世の記憶を持っていて人を殺したことがあるからここで人を殺しても心が痛むだけだが、普通の子供ならどうだ?…十中八九心が壊れるな。
…つまり仕上げってのは心を完璧に壊そうってことかよ…!
全くもってゲスだぜ。
恐らく、精神が崩壊した後に洗脳でも何でもして手駒にするつもりだったんだろ?それで俺の力を強化していた事にも筋が通る。
そうと分かれば
「ウェポンズサモン…魔剣。死ね…」
俺は男に対して手に出現させた魔剣で襲いかかる。当然避けられるが敵もヤバいと思ったのかワープと大声で叫ぶと消える。
今だ!
急いで床に転がっている弱った女の子を抱えてあの玉を使う。
そして消える直前、視線の端で男が悔しそうな顔していたのが見えた。
内心ほくそ笑んだね
ざまー見ろ!
読んで下さってありがとうございます。
またのお越しを