アフロカウボーイ(短編)
アフロカウボーイ(短編)
一人のカウボーイが馬で故郷を旅立った。
俺は、サボテンが広がる、古びた荒野に生まれだ。
そうさ、この枯れ果てた大地に漂う乾いた砂とどこまでも広がる地平線俺の故郷だ。
この、枯れ果てた大地と夕日が沈む地平線まるで今の俺の頭のようだ……。
俺は、アフロの頭を撫でた。
男「なんで、俺が25歳なのにこんな頭かってそれはなぁ」
馬「フッ(こいつ、馬に独り言いってやがる……)」
男
「俺が18歳の時、村ではアフロのカウボーイがカッコいいとモテはやされていた。アフロにさえなればモテ、愛しのあの子にアタック出来ると思った。俺は、勝手に台所に置かれた兄貴のアフロ染め(アフロにな~る)を使った。しかし、その時には染める時間なんて見もしなかったんだ」
馬「ヒッヒン(アホだろ)」
男「俺はアフロ染めを着けたまま一晩寝てしまった」
馬「フッ(笑)(でっ)」
男「翌朝、俺の毛はアフロになるどころかハットに入らないくらいのアフロになっていた。しかも、剃ってもすぐ生えてくる。しかも、あの子にもフラれた」
俺は、目から滝のごとく流れる涙を拭うと戻ってきた故郷を後にして、旅に出た。
巷の噂では、ある国では自由に髪型を変えられる魔法の品があるらしい。
3年後
俺は、ぼろぼろに成りながらもそこにたどり着いた。
海を馬と共に泳ぎ、時には歴史的建造物を観光した。
時には、馬に乗って道路を走るとなぜか追ってくる赤く光るライトを乗せた白黒の車と青い服装の帽子を被った男達から逃げた。
旅は長かった、しかし、ついにたどり着いた。
俺は、その店をようやく探し当てた。ついに、その店の扉を開けた。
店員「いらっしゃいませ、当店はカツラ専門店になっております。どうぞごゆっくり」
俺はついに探し当てた。しかし、
男「……アフロじゃ意味ねぇ」
店員「じゃあ、脱毛しますか?」
男「じゃあ、それで」
馬「それでいいのか……」