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事情聴取 後編

 次に村上要を呼び、話を聞いた。

「村上さん。あなたにも妹絡みでの動機があるよな。そしてあなたには井田光さん同様晩餐会の後片付けをしていたという鉄壁のアリバイがある」

 村上要は頷いた。

「そうです。彼女がいて助かりました」

「それでは村上姫香さんの人間関係について教えて貰おうか。この事件には彼女の自殺が関わっている可能性があるからな」

「そういえば姫香には彼氏がいると聞いたことがあります。僕は会ったことがありません。彼氏は姫香の葬式の日にも顔を出さなかった。1か月しか付き合っていないから葬式に来なくても構わないと彼氏は考えていたのでしょう」


 3人は最後にガイ・エドワードに話を聞いた。

「ガイさん。あなたは関川監督を恨んでいるのか」

「ボクは監督を恨んでいません。ボクの撮る映像を監督は褒めてくれた。監督との関係はテレサさんの次に良好だと思います」

「それでは村上姫香さんをご存知ですか」

「知らないね」

「最後にあなたは晩餐会終了から関川監督の遺体発見までの間どこで何をしていましたか」

「電話をかけていた。音響監督の音無さんと言えばテレサさんなら分かると思いますが」

「因みにその音無さんとは何分くらい電話していましたか。まさか遺体発見までの間電話を受けていた訳ではないでしょう」

「20分くらいです。電話線が壊されたのはその後かもしれません。その後は部屋に籠っていました」

 柊たちは違和感を覚えながらガイとの事情聴取を終了させた。


 容疑者全員への事情聴取を終わらせたテレサと柊は話し合う。

「先ほどの事情聴取で犯人が分かったでしょう」

 テレサからの問いに柊は頷く。

「ガイ・エドワードさんだな。あいつは電話線が壊されたことを知っていた。そして犯行直前電話線を切断しやすい位置にいた。後は物的証拠だ」

「物的証拠の方は任せる。私は別のことを捜査するから」

 そういうとテレサは容疑者たちが集まっている食堂から離れた。

 柊たちはテレサが言う別のことというのが何を意味しているのかが分からなかった。

 だがこの中にいる真犯人はそれが意味していることが分かった。

(ギリギリだが罠を仕掛けた。残る障害は柊とかいう探偵。あいつの推理力は未知数だ)


 その頃テレサは村上要が寝泊りしている管理人室にいた。彼女の前にはブレーカーがある。そのブレーカーにはテグスが巻かれており、その下にろうそくが立てられている。

「やっぱり。典型的なブレーカーを落とすためのトリック。このろうそくがテグスを燃やした時ブレーカーが落ちる」

 テレサは確信した。次の殺人は暗闇に乗じて起きると。テレサは真犯人が残したトリックを分解して使えなくした。


 その後テレサは現場となった関川監督の部屋へ向かう。そこに犯人を突き止める手がかりが残されていると信じて。

 その道中彼女はあることに気が付く。廊下が赤い液体で濡れている。その赤い液体は谷村あかりの部屋から流れているようだった。

 容疑者たちの事情聴取をするために食堂に向かった時廊下は濡れていなかった。テレサは谷村あかりの部屋のドアを開けようとするが、ドアには鍵がかかっていた。


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