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犯人を示す根拠

「言い逃れはできないよ。私たちはあなたが井田さんを殺害しようとしている現場を目撃しているから」


 テレサの一言を聞き西木野は鼻で笑った。

「言い逃れをするつもりはないが、一つ聞かせてくれ。なぜ俺が犯人だと分かった。お前たちが話したトリックなら俺じゃなくてもできるはずだ。それにどうやって谷村あかりにストレスを感じさせたんだよ」

「井田光と村上要のアリバイは完璧。そして犯人は凶器出現トリックを使い谷村あかりを犯人に仕立て上げようとしている。この二つの事実を前提にすると残る容疑者はガイ・エドワードとあなただけとなる。ここで注目したのは、事情聴取時の重大な証言。この事件の発端となった村上姫香の自殺。その姫香には彼氏がいた。その彼氏があなただとしたら辻褄が合う」

「ガイが姫香の彼氏かもしれないだろう。それに俺は谷村あかりと婚約していた。だから姫香の彼氏なはずがない」

「ガイさんは姫香さんには出会えない。最初テレサが紹介したよな。ガイさんは半年前に来日したばかりだと。そして姫香さんが自殺したのは半年前だった。さらに村上要さんの証言、姫香さんは自殺する三日前にメールで『彼氏と海外に行くためにパスポートを申請します』と伝えた。普通彼氏が海外にいる場合は『彼氏と会うために、海外に行きます』という内容になる。つまりこのメールが示すことは、彼氏は日本国内にいること。それはガイさんが彼氏ではないという証明になる」


 柊の推理を補足するかのようにテレサも推理に加わる。

「因みにこの推理が正しいと、村上姫香さんが自殺したから婚約を破棄したという事実が別の真実を導くよね。あなたが姫香さんの彼氏ではなかったら、あかりさんの友達が自殺したことから彼女に気を使って婚約を破棄した。一方あなたが彼氏だったら婚約を破棄した理由が、最愛の人が自殺したから婚約を破棄したという物に変わる」

 西木野正樹は完全に逃げ場を失い、自白を始める。

「俺は村上姫香の彼氏だよ。そして関川監督を殺したのは俺だ」

「罪を認めるのか」

「ああ。俺がこの手で殺した。伝説の殺人鬼が俺の殺意を後押しした。というのは冗談だが、関川監督は俺から最愛の人の命を奪った。だから殺した。それだけではない。あいつは俺の恋を利用した。それが許せなかった」


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