朝の出発
夢から醒めて、朝の準備を進めるお話です。
お楽しみください。
少年は朝日の差し込む部屋の中で目が覚めた。
全身には汗をかいていた。
「いやな夢だ・・・」
少年はそういいつつ、しかし内容はあまり覚えていない。
夢とはそういうものなのだろうと、少年はぼんやりと納得する。
そうして今日のスケジュールを思い出す。
「今日も学園があったな」
少年はそう呟く。
セント・アンヌ聖術師育成学園。
それが少年の通う学園の名前だ。
少年が学園に入ったのは最近のこと。
少年は家族に先立たれ、妹とたった2人の家族だ。
だが、その2人を救ってくれる人がいた。
おじさんとおばさんだった。
穏健な2人だった。
自分達が本当の息子と娘でなくとも暖かく向かい入れてくれた。
元々聖術師であったおじさんは、少年と少女に聖術を教え、この学園まで入学させてくれた。
恩は返せないほどある。
そういうと、おじさんは笑う。
「そんなの返されたって困る。次の人に渡してあげなさい」
と言ってくれた。
それが俺の使命なのだと思いさえした。
だが、妹はもう聖術を使えるのに、俺は未だ使えない。
次に渡すと言ってもどうすればいいのかと少年は頭を悩ましていた。
「ま、今考えても仕方ないか」
学生服に着替え、気分を切り替えた。
飯はパンを2切れ咥えて家からでる扉を開く。
いってきますという相手もいないので黙って出て行く。
扉を開くとそこは石造りの街だ。
石が積み上げられた四角の建築物並んでいる。
「天気は晴れ!時間は余裕ある!じゃあギルドに寄っていくか。ロバートも戻ってきたって言ってたし」
そうして歩き出す。
2階の一室に住んでいる少年は階段を下りて石畳の敷き詰められた道に足を着く。
ごつごつした感触が足に伝わってきた。
道路はあまり整備されておらず足を引っ掛けそうな石がそこらじゅうにある。
それを避けて歩いていく。
ここは賃金が安い地区で貧乏人も多いが、夢見人も多い。
自分と同じような境遇、田舎から出て学園に通う生徒もいるのだ。
お金のない地区で道路も整備されにくいところだが少年は気に入っている。
たまに同級生と騒いだりするときは呼ばれることもあるし、逆にこちらが騒ぐときは巻き込みやすい。
「今日はちょっと早すぎるから、誰とも会わないかもな」
それでもいい。
朝の挨拶をするなら学園に行ってからでもいいのだ。
だから、まず目指すはギルドだ。
あらすじだけは作っていたけれどいきなりずれて言ってますww
話の収束は目指しますんでよろしくお願いします。