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セント・フリークス  作者: 羊洋士
序章
1/25

目覚め

小説を投稿させていただきます。

ライトノベル風ですが、短いです。

よろしければお暇な時間に読んでいただけると幸いです。

少年は暗闇で目を覚ました。

一面の光のない世界に体をゆだねていた。


「ここはどこ・・・?」


少年は周りを見回し、そして次に自分の姿を見た。

学生服だった。

シュウジが通っている学園のだ。

自分の姿はハッキリ見えている。

ということは普通の光が無いことによって作られる闇ではないのかもしれない。


「どういうこと?」


疑問は闇に消えてゆく。

そうして、闇の中に足を着いた。

一面の黒色も地はあるようだ。

そのことに安心し落ち着こうと考える。


「えーっと、確か布団に入って寝たよなぁ」


最後の記憶は就寝の記憶。

単純なことしか思い出せない。

もしかしたら夢の中なのかもしれない。

そうだとするなら、夢から醒める方法はここでまた寝るとか?

オーソドックスといえばオーソドックスだが、今の状態で出来ることと言えばそれくらいである。

そんなことを考えていると、突如目の前にあわられたものに気付く。

一振りの刀が闇の地面に刺さっていた。

曲線を描いて刺さる刀は今の光景としては異常なほど銀色に輝いていた。


「アレ?こんなのあったっけ?」


そう思い、少年は刀に近づき手を伸ばす。

少々無用心とも思えるが、掴まなければ進めないと思った。

だが、結果として掴めなかった。

掴む寸前との頃で頭をよぎるものがあった。


「これは・・・俺の記憶・・・?」


そう少年は呟いた。

少年の見ていたものは、過去の記憶だった。


「アカネ・・・おじさん・・・」


中年の男が満面の笑みで少女の頭を撫でている。

その光景を少年が見守っているという構図だったことを思い出す。

その時の自分は微笑んでいたと思う。

この世でたった1人の家族が凄いことを出来るようになったという、誇らしい気持ちがあった。

対して自分にはできない不出来を恥じていた記憶だ。

アカネという少女は笑って少年に向かって走りよって言った。


「お兄ちゃん!!私やったよ!!これでお兄ちゃんも自分の事に集中できるね!!」


キラキラと輝く聖術を身にまといながら少女はそう言ったのだ。


「懐かしいな。このとき俺はなんていったんだっけ?」


胸が痛くなる。

何故だかわからない。

単純に嬉しかった事を口にしたのだろうか?

その時どういう気持ちでいたか今も分からない。

単純に嬉しかったのだろうか。

妹に追い抜かれて嫉妬している気持ちだっただろうか。

それとも情けなく惨めな気持ちだっただろうか・・・。

確かにそれらは合っただろう。

それ以降はおじさんも妹を可愛がって俺はついでだった。

そのことは別にいい。

ただ、それでも自分は妹のおかげでおじさんとおばさんに助けられていると思わずに言われなかったのだ。


「一度は妹を捨てようとした俺なのに・・・」


皮肉に笑った。

もう刀を握る意思は失われていた。



まずはプロローグです。

最初は単純に夢と追憶です。


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