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シーとまことのひかり  作者: ユッキー


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9/9

終章



 ケヤキ並木の木漏れ日のもとで、ワタシとヒカリは木製ベンチに腰かけて、失われた時をとり戻すように長い時間話しをした。

 ヒカリは、未熟児網膜症みじゅくじもうまくしょうのため生まれながら目が見えなかった。五体満足に生まれた自分を申し訳なく思うとともに、もっとも最低なウゾウムゾウの自分を恥ずかしく思った。


 しかし、ヒカリの左手首にも白いサポーターが巻いてあり、ワタシは、ヒカリの左手首の白いサポーターの上にそっと手を乗せて尋ねた。


 ──この白いサポーターは?

 ワタシも白いサポーターをしているのよ。


 ヒカリは、恥ずかしいそうに躊躇(ためら)いながらも応えてくれた。


 ──リストカットしていたから。

 それでサポーターで隠しているの。

 

 ──ワタシも同じよ!

 リストカットの(あと)なんてほかの人に見せられないもの。

 でも、この傷痕は、きっと弱きものの世の中への復讐の(あかし)ね!


 ケヤキたちがまた風に揺れた。ワタシは、ケヤキたちが笑っているように思えた。

 ケヤキたちの樹冠(じゅかん)から陽光が漏れる。今日もすべての生命を育む太陽が存在している。ヒカリは太陽の光をじかに見ることはできないが、強く感じることができるといった。

 まことのひかりとは、ヒカリが感じているひかりかもしれない。



 またケヤキたちが風に揺れた。

 すぐそばの、木漏れ日が円を描いて点在する遊歩道を、ベージュの髪のオトコと、1匹の白にゴールドの体毛の小犬が、なにかを希求するようにケヤキたちを見あげながら散歩していた。

 するとヒカリが、微笑みながら風のように(ささや)いた。


 ──小犬がいるわ!

 つぶらなくもりのないまなこの小犬ね。






挿絵(By みてみん)



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