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十二環界と天塔の魔王  作者: ぷやっさん
第三章 三番島《豊穣デメトリア》

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第35話「断滅完全体、決壊」

白銀の光が世界を裂き、

神殿地下はもはや“空間”と呼べる形を保っていなかった。

断滅完全体の胸に開いた“白銀の穴”は、

世界の縫い目を吸い込みながら脈動している。

『……全域断絶……開始……』

空気が震え、

存在そのものが削られる音が響いた。

ミナはリオの背にしがみつき、震えながら叫ぶ。

「先生……!

断絶が……“世界の根っこ”まで届いてます……!

このままだと……島ごと……!」

「分かってる。

ここで終わらせる」

リオは影の上に立つ。

床はもうほとんど残っていない。

影だけが、現実に踏みとどまっていた。

(影……お前がいなきゃ、もう立ってすらいられねぇ……

でも、頼り切るわけにはいかねぇ……!)


断滅完全体が腕を振り下ろす。

——バキィィィィィン!!

空間に巨大な断絶の線が走り、

神殿地下の残骸が“存在ごと”消えていく。

「先生!!

右上!! 断絶が来ます!!」

「任せろ!!」

リオは影の縁を踏み、

断絶光の“未来の軌道”を避ける。

ミナの声と影の動きだけが、

生き残るための唯一の情報だった。

(ミナの感知……影の拒絶……

この二つが揃ってる今なら……!)


完全体の胸穴がさらに開く。

『……断絶……飽和……

世界……切断……』

白銀の光が、

まるで“世界の裏側”から溢れ出すように広がった。

ミナが悲鳴を上げる。

「先生!!

もう……避け道が……ほとんど……!!

影の“中心”しか残ってません……!」

「影の中心……?」

リオは足元を見る。

影が、

まるで“守るように”丸く広がっていた。

(影……お前……俺を守るために……?)

その瞬間、

影の奥から“声”がした。

——……器よ、立て。

リオの心臓が跳ねた。

(また……!

影の奥の“誰か”が……!

これは……俺の声じゃない……!)

ミナが震えながら言う。

「先生……!

今の……“人の声”でした……

影の中に……誰か……!」

「後で聞く!!

今は倒す!!」


「ミナ!!

核はどこだ!!

見えなくてもいい、感じるだけでいい!!」

「……っ……!」

ミナは目を閉じ、断絶の奔流の中で集中する。

「……先生……

“穴の奥”じゃありません……

穴の“縁”……!

縁の一部だけ……“断絶が薄い”……!」

「そこが核か!!」

「はい!!

そこだけ……“世界と繋がってる”……!」

(断絶の光は“繋がり”を切る光……

なら、繋がりが残ってる場所が核……!

ミナ……よく見抜いた!!)


断滅完全体が最後の断絶光を放つ。

『全域断絶:最終段階』

白銀の光が世界を覆う。

「ミナ!!

しっかり掴まれ!!」

「はい!!」

リオは影の中心を蹴り、

断絶光の中へ飛び込んだ。

影が足元で“盾”のように広がり、

断絶光を拒絶する。

(影……頼む……!

あと一歩だけ……支えてくれ!!)

完全体の胸穴が目前に迫る。

「ミナ!!

核の位置!!」

「右上!!

穴の縁の……そこです!!

先生なら届く!!」

「行くぞォォォォッ!!」

リオは拳を引き絞り、

断絶光の中心へ叩き込んだ。

——ドガァァァァァンッ!!!

白銀の穴が砕け、

断滅完全体が悲鳴を上げる。

『……断……絶……崩壊……

因果……再接続……不能……』

光が弾け、

完全体の身体が崩れ落ちた。


白銀の光が消え、

神殿地下に静寂が戻る。

ミナがリオの胸に顔を埋め、泣きながら言う。

「せんせい……!

勝った……んですよね……?」

「ああ。

終わった……」

リオはミナの頭を優しく撫でた。

その足元で、影が静かに揺れる。

まるで——

満足したように息を吐いた“誰か”のように。

(影……

お前……やっぱり……ただの力じゃねぇな……)

アーク・ジャッジが階段の上で、

静かに拍手をした。

「見事だ、元師団長。

だが——試練はまだ続く」

リオは影を踏みしめ、

司令官を睨みつけた。

「上等だ。

次はお前だ、アーク・ジャッジ」

少しでも面白いと思っていただけたら、ブックマーク・評価宜しくお願いします!!


※本作の執筆にあたっては、

一部のアイデア整理や設定構築にAIを活用しています。

物語の最終的な構成・文章表現・キャラクター描写は、

すべて作者自身の手で仕上げています。

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