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十二環界と天塔の魔王  作者: ぷやっさん
第三章 三番島《豊穣デメトリア》

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第33話「断滅完全体、覚醒」

神殿地下の空間が、

白銀の“断絶の光”で歪み始めていた。

砕いたはずの断滅の司は、

胸の奥に存在する“白銀の穴”を中心に再構築されていく。

ピシ……パキィ……バキィィ……

空間そのものが悲鳴を上げるような音。

光の輪が膨張し、世界の縫い目が引き裂かれていく。


「先生……あれ……!」

ミナはリオの腕を掴み、震えながら見つめた。

断滅の司の身体は、

もはや“人”の形ではなかった。

腕は光の筋となり、

脚は地面に沈むようにぼやけ、

胸の“白銀の穴”だけが異様にくっきりと開いている。

穴は……まるで“口”。

『……断……滅……完……全……体……

《パーフェクト・デス》……起動……』

(そうか……

“喰う”んじゃない……

存在と存在の“結びつき”を切り離して、

世界の“外”へ落とす穴……!)

ミナが青ざめる。

「先生……先の“空っぽの声”……

全部……あの穴に吸われてます……!

食べられてるんじゃなくて……

“世界から消されてる”……!」

(ミナの感知が、完全に“外側”を掴んでいる……

こいつはただの魔物じゃない。

王の光の……“別の根源”……!)


「……面白いな」

階段の上。

アーク・ジャッジは断滅完全体の誕生を冷静に見下ろしていた。

「これこそ《断絶の真形》。

存在の連鎖を切り、

因果を断ち、

世界から分離させる光だ」

「なんのためにそんなことを……!!」

「十二環界の“編成”は乱れている。

本来の理とも異なる。

塔の存在も、

リオのような“系列外”も、

想定されていない」

ミナが息を呑む。

「先生……“系列外”……?」

(やっぱり……

俺の影は塔と繋がっている……

そして王の光も塔の一部……

つまり……)

「王は“理の修正”を行うおつもりだ。

その第一歩が、この《豊穣島の断絶》。

次は——」

視線がミナへ向く。

「“塔系列の感応者”の解析だ」

「させるか!!」

リオが前へ出た瞬間——


『アアアアアアアアアアアアアアア——ッ!!』

断滅完全体の胸穴が広がり、

空間が真っ白に染まりかける。

「くっ……やばい……!!」

「先生!!

あれ……世界の“縫い目”が切れてます……!!

踏んじゃダメです!!」

床に走る白銀の“裂け目”。

落ちれば二度と戻れない“外側”。

(マジか……

本当に世界の外……!?)

ミナの手が震えながらも、確かに示す。

「先生……!

右じゃなくて……“影の上”なら行けます!!

先生の影は……断絶と繋がってない……!!」

「嘘だろお前……!」

(でも……ミナが言うなら!!)

「行くぞ——ッ!!」

リオは“自分の影”だけを踏みながら駆けた。

白銀の裂け目が両側で弾け、

床が存在しなくなっていく中——

影だけが、“現実”として残っていた。

(影……

お前はいったい……何者……!?)


「ミナ!!

核の位置!!」

「胸の穴の横!!

“断滅光の流れが渦巻いてる”ところです!!

そこが一番薄い!!」

「よし!!」

リオは床が崩れる前に跳躍し、

断滅完全体の胸部“横”へ拳を叩き込む。

——ドガァッッ!!!

白銀の光が散り、

完全体が一瞬だけ揺れる。

『……因果……破損……?』

「いける……!!」

しかし——


断滅完全体が両腕を広げた。

「先生!!

ぜったい動かないで!!

“断絶領域”が展開されます!!」

『断絶裁:全域』

白銀の輪が広がり、

地下空間全てを覆った。

(くそ……ここまでか……!?)

ミナが叫ぶ。

「先生!!

影に……影に入って!!

影だけが……断絶を“拒絶”してます!!

先生の影は……断絶より外にいる……!!!」

(影が……

断絶光の“外側”……!?

俺は……何に繋がってる……!)

リオは迷わず“自身の影”へ踏み込んだ。

次の瞬間——

断絶光が世界を飲み込んだ。

だが、リオとミナだけは消えなかった。

影が“存在の拠り所”として残っていた。

(影……助かった……

まるで……世界の外に根を持ってるみたいに……)

完全体がよろめく。

『……断絶が……届かぬ……?

影……何者……』

「俺だって知りたいよ。

だが一つだけ分かってる」

リオは拳を握りしめた。

「“影”でも“塔”でもねぇ。

俺は教師だ。

ミナを守るためなら——何度でも立つ!!」

ミナが涙を浮かべて叫ぶ。

「先生……!!

一緒に……倒しましょう……!!

この島の飢えも……苦しみも……全部!!」

断滅完全体が再び構える。

アーク・ジャッジが静かに言った。

「……では、試練は続く」

その瞬間、リオの影が揺れ、

“誰かの声”が微かに重なった。

——……器よ、まだ倒れるな。

(……まただ……

影の奥の“誰か”が……!)

第三島の地獄は、まだ終わらない。

少しでも面白いと思っていただけたら、ブックマーク・評価宜しくお願いします!!


※本作の執筆にあたっては、

一部のアイデア整理や設定構築にAIを活用しています。

物語の最終的な構成・文章表現・キャラクター描写は、

すべて作者自身の手で仕上げています。

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