表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
十二環界と天塔の魔王  作者: ぷやっさん
第二章 二番島《工環ペリカンテ》

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

20/25

第19話「絶罰陣に沈む光、呼応する塔」

床一面に広がる黒金の巨大な契約陣。

中心に立つリオの足元から、嫌な寒気が立ち上っていた。

“消滅”そのものの波動だ。

【契約:絶罰陣デス・オース

——対象存在の因果を切り離し、断滅させる。

(……これはもう、“光”じゃねぇ。

破壊そのものだ……!)

マルクは片目を細め、静かに札を掲げた。

「終わりだ、元師団長。

契約に逆らう者は“ことわり”に消される」

「……理だぁ?

そんなの、俺の知ったことかよ……!」

強がりとは裏腹に——

リオの足は動かない。

絶罰陣の中心では、一挙手一投足が即“罰判定”になる。

(ミナを守るために動いたら、俺が消える……!?

だったら——)

その思考を断ち切るように、塔の脈動が胸を叩いた。

——ゴウン。

「っ……!」

意識が飛びそうなほど強烈な痛み。

だがその痛みが、むしろ思考を鮮明にした。

(塔……

俺を……引っ張ってる……?

なんで……)


「せ、先生ぇ!!」

絶罰陣の淵で、ミナが泣きそうな声で手を伸ばしている。

「ミナッ! 来るな!

これは——!」

「違うんです!!」

ミナは震えた声で叫んだ。

「絶罰陣……“怖くないところ”がある!!」

「……!?」

「全部が怖いんじゃなくて……

“中心からズレた一点”だけ……恐怖が薄い……!」

その言葉にマルクが目を見開く。

「馬鹿な……絶罰陣に“逃げ場”など作るわけが——」

ミナの声が重なる。

「見えるんです!

恐怖の濃いところは黒い霧みたいに揺れてて……

でも一ヶ所だけ、“呼吸してない”みたいに静かなんです!」

(呼吸してない……?

絶罰陣は本来、均一に恐怖を流すはず……

だとしたら……)

塔の脈動が再び走る。

——ゴウン!

(塔……!

絶罰陣を“揺らして”いるのか……?

ミナはその揺らぎを視てる……!)

ミナは涙目で叫ぶ。

「先生!

右足……半歩!!」

「ミナ……信じるぞ!」

リオは絶罰陣の中心で、

恐る恐る右足を半歩だけずらした。

その瞬間——

絶罰陣の光が、ほんのわずか“揺らいだ”。

「……っ!?」

マルクが驚愕する。

「陣が……揺れた……!?

契約の陣が“安定しない”……!?」

(やっぱり……!

塔の脈動が陣を壊してる!

そしてミナがその“歪みの一点”を視てる!!)


「ミナ! 次の“安全ポイント”は!?」

「右三歩……後ろ一歩!

あと、小模様の“黒い輪”は絶対触っちゃダメです!!」

ミナは涙を流しながら、

“契約の流れ”を読み取っていた。

「よし……行く!!」

リオは半歩、半歩、そして大きく踏み込む。

【絶罰陣:反応不安定】

床が軋み、契約陣の一部が“割れる”。

(これなら……抜けられる……!)

マルクの金の片目が震えた。

「なぜだ……!?

絶罰陣は“揺らぎ”を許さないはず……

恐怖を源としている契約陣に……

なぜ揺らぎが……!」

ミナが叫ぶ。

「先生、もう少し……もう少しで抜けます……!」

「任せろ……!

お前の声は全部届いてる!」

ミナの目に、涙が流れながら金色の光が宿る。

「先生は……守らなきゃ……!!

絶罰陣なんかに消させない……!!」

(ミナ……お前……

本当に……強い子だ)

塔の脈動がさらに強まり、

まるでリオの背を押すように——

——ゴウンッ!!!

絶罰陣の光が崩れた。


リオは地面を蹴った。

「うおおおおおッ!!」

駆ける。

契印の隙間を抜ける。

恐怖の層をミナの声が切り開く。

「先生ッ!! 今です!!」

「——任せろッ!!」

黒金の陣の外へ、

リオは飛び出した。

絶罰陣が背後で粉砕される。

床の金属板が剥ぎ取られるほどの衝撃。

──バンッ!!!

リオの身体は鉄床に膝から落ちた。

(生きた……

生き残れた……!)

ミナが駆け寄って泣きつく。

「先生ぇ……!!

生きてて……よかったぁ……!!」

「お前が……導いてくれたんだよ……

ありがとう、ミナ」


「……そんな……なぜ……」

マルクは震えていた。

「絶罰陣が崩れるなど……

ありえない……

契約は絶対だ……!

恐怖は裏切らない……!

なのに……なぜ……!」

リオは立ち上がった。

「答えは簡単だ。

お前の契約は“恐怖”で作られた。

だが俺の“契約”は——」

背後でミナが強く頷く。

「“守る”ための契約です……!」

マルクが歯ぎしりする。

「……ふざけるな……

契約は恐怖の上に成り立つ……

それは古来より変わらぬ理だ……!」

リオは拳を握った。

「俺は教師だ。

恐怖に支配される契約なんて……認めねぇ」

その言葉に、塔の脈動がふたたび反応した。

——ゴウン。

(……塔……

お前は……“契約”が分かるのか?

いや、違う……

お前は……俺を……)


「……いいだろう……

ならば見せてやる……

契約の“真の姿”を……!」

マルクが札を三枚、四枚と重ねる。

冷たい光が走る。

【契約:恐怖創造フィア・クリエイト

【契約:恐怖倍加ドレッド・ブースト

【契約:恐怖形質化テラーフォーム

床が震え、工場全体が黒い霧に覆われる。

「これが“契約術師の本性”……!」

「先生……!

だめ……! あれ……“怖さの塊”です……!!」

ミナが恐怖で足をすくませる。

(ここまでの恐怖……

この島そのものが“恐れを吸ってる”みたいだ……!)

リオはミナの肩に手を置いた。

「大丈夫だ。

お前はもう、“恐怖の契約”に飲まれない」

「……はい……!」

マルクが叫ぶ。

「恐れよ!

契約の根源に飲まれよ!

これが契約魔法の極致——“恐怖陣”だ!!」

黒い陣が天井に巨大化し、

まるで牙のように落ちてくる。

少しでも面白いと思っていただけたら、ブックマーク・評価宜しくお願いします!!


※本作の執筆にあたっては、

一部のアイデア整理や設定構築にAIを活用しています。

物語の最終的な構成・文章表現・キャラクター描写は、

すべて作者自身の手で仕上げています。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ