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十二環界と天塔の魔王  作者: ぷやっさん
第二章 二番島《工環ペリカンテ》

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第18話「恐怖の契約陣、教師の逆転」

契約工場の中心で、

鉄と蒸気と魔力が混じった空気がうなっていた。

契約術師マルクが札を掲げるたび、

黒金の光が床の契印スタンプを走り、

恐怖の罰が“形”になって襲いかかる。

「リオ・ヴェルナー——

“契約の檻”の中では、お前はただの囚人だ」

マルクが指を弾く。

【契約:痛罰陣】

床全体が灼熱のように輝き始めた。

「くっ……!」

足をついた瞬間、焼ける痛みが走る。

(また罰か……!

一歩動くだけで罰が重なる……!

これが契印の地獄……!)

だがミナが叫ぶ。

「先生! 左に“空白ブランク”があります!

そこだけ契約が走ってません!」

「助かる!」

リオはミナの声に従って跳び、

灼熱の罠を回避した。

契印がぎゃりっと悲鳴のような音を立てて消える。

(……ミナ、すごいな。

まるで契約の層そのものが見えてる……)


「面白い……

だが遊びはここまでだ」

マルクは黒金の札を三枚重ねて掲げた。

「“契印反転スタンプ・リバース”」

床の契約陣が逆回転を始める。

――ギュルルルルル!

(逆回転……!?

契約陣が“書き換わっていく”!?)

「契約の性質を反転させる術だ。

無害だった印が罰印に、罰印が拘束印に変わる」

ミナが絶望したように声を上げる。

「せ、先生……!

だ、だめです……読めません……!

印が……動いてる……!」

「動く契約印……!?」

ミナの“契約視覚コントラクト・サイト”は、

契約が固定されている時にしか通用しない。

つまり——

(視えない戦場……!

完全に“契約術師の領域”……!)

マルクの片目が妖しく光る。

「さあ、踊れ。

お前の“甘い正義”など、契約の理に飲まれて消える」


(読めないのは仕方ない。

なら……俺の戦い方で対抗するしかねぇ)

「ミナ、よく聞け。

お前は“色”が視えなくても……気配なら分かるだろ?」

「……気配?」

「恐怖の気配だ。

さっきまで見えてた“黒い怖さ”が濃い方向だけ教えてくれ」

ミナは目を閉じ、震えながらも集中する。

「……怖い……怖い……怖い……

先生の右斜め前が……すごく……!」

「そこは避ける!」

リオは地を蹴って左へ飛ぶ。

【罰印爆裂】

右前の床が爆発した。

「っぶな……!」

「先生、左はもっと怖いです!」

「じゃあ後ろ!」

「後ろは……怖くない……!」

リオは後ろへ跳んだ瞬間、

目の前を拘束陣の鎖が掠めていった。

(……気配だけでここまで読み切るミナ……

本当にすごい)

マルクが舌打ちする。

「契印が読めるだけでなく、

恐怖を“嗅ぎ分ける”とは……

そのガキ、契約の天敵か……?」

(天敵……?

ミナのこの力は……契約術師にとって脅威……?)

塔の脈動がまたリオの胸を震わせた。

——ッ、トン。

“守れ”

そう聞こえた気がした。

(塔……?

今のは……本当に俺に向かって……?)


「契約術師……

お前の“理”に従うつもりはない」

「愚かだな。

契約に背けば罰が降る。それが世界の理——」

「違う。

世界の理は、人を守るためにある」

「……甘い!」

マルクが複数の札を空中へ放る。

多重契約陣マルチ・サークル

床・壁・天井——三方向から罰印が迫る。

「先生っ!」

(読めない……!

ミナにも読めない……!

どうする……!?)

その時。

塔の脈動が、戦場の契約陣全体を震わせた。

——ゴウン……!

契印が、一瞬だけ停止した。

「……今だ!」

リオはその隙を逃さなかった。

手近の鉄パイプを掴み、

罰印の中心“制御核”へ叩きつける。

——ガンッ!

罰印が破れ、契約陣が弾け飛んだ。

「な……に!?」

「契約が反転する前に核を壊せば効力は消える。

お前の契約は強いが——

“恐れ”を利用してる分、脆い!」

マルクの顔が初めて歪んだ。

「元師団長の戦闘勘……!

だが、それだけでは俺は倒せない!」

マルクが新たな札を掲げる。

【契約:絶罰陣デス・オース

空気が、止まった。

(やばい……!

札の黒が……深すぎる……!

今までの罰とは“格”が違う……!)

ミナが叫ぶ。

「先生っ!!

ダメっ!! 絶対そこに入っちゃダメ!!

“怖さ”が……底なしなんです……!

触れたら……戻ってこれない……!」

リオは身構える。

(来る……

契約術師が本気を出す……!

絶罰陣……あれを喰らえば間違いなく——)

「消滅するぞ、元師団長!」

巨大な契約陣が、足元に展開された。

少しでも面白いと思っていただけたら、ブックマーク・評価宜しくお願いします!!


※本作の執筆にあたっては、

一部のアイデア整理や設定構築にAIを活用しています。

物語の最終的な構成・文章表現・キャラクター描写は、

すべて作者自身の手で仕上げています。

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